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2018-8イギリス保存鉄道巡り

キースリー&ワース・ヴァレー鉄道
KWVR - Keighley & Worth Valley Railway


Keighley13:30発−Ingow(west)13:36着
Ingow(west)14:21発−Oxenhope14:40着
Oxenhope15:00発−keighheley15:25着

BR線とホームが並ぶ始発のキースリー駅は古風な橋上駅。


隣のホームに下がろうとしたところで、機回し中の機関車が出てきた。


真っ赤なタンク機関車No.41241 軸配置2-6-2のサイドタンク機。
1949年製で2018年にオーバーホール完了したばかりらしく、とても綺麗だった


ホームを通り過ぎたところで止まり、客車の方へバックしてくる。


1日有効のROVER TICKET £18(約2,550円)を購入。
1往復するだけの時間しかなく、終点までの単純往復の切符も£12で売られているが、1日券なら途中下車も出来Ingrowの展示施設の見学もできる。


客車と連結し出発準完了。


多扉客車3両の編成で機関車の後ろはE48018。


2両目の客車はE48011、片側で8カ所、ボックス毎に扉があるが、貫通扉は無い。


3両目はE43128、荷物室付で乗客用6扉と車掌用と荷物室用で合計8扉。


扉から入ったところにボックスがある。
荷物室の無い2両は車体中程に化粧室がある。


車内はクロスシート向かい合わせで各ボックス毎に乗降扉があるが通路はある。


荷棚は座席の上にあり肘掛けを兼ねた座席の側板がステーになっている。


2両目の車内も同様の構成でモケットの柄が違う。


乗降扉は手動の外開きで内側にもノブがある。


車端部に扉はない。


5人掛けで、枕木方向のロングシートになっている。


当然、外側の妻面も扉や窓は無い。


外開き扉が並ぶのは見慣れぬ光景。


扉は90°以上開くことができる。


3両目の客室は通路が無い。


両側壁で完全な個室になっている。
肘替えは無いが、5人掛けの向かい合わせで10人用個室なのだろう。


仕切壁には額に入った絵や鏡が3枚づつ配置されている。


座席の真上に荷棚があり、車内照明は2球の白熱灯の様だ。


温度調整のノブ。


額の中に路線図もあった。
路線延長4・3/4マイル(約7.65km)の途中に4つの駅がある。


定刻で出発、右にカーブしてBR線と離れた。


古風な工場らしい建物が多い。


次のIngow駅で下車。


急いで駅を離れた。


トンネル上の道から撮ろうと思ったが見えなかったのでホームに戻り出発を撮影。


逆から来たキースリー行きの列車を撮影。


大形のテンダー機がバック運転で牽引してきた。


停車時間中に先回りして発車を撮る。


Ingow駅のキースリー寄りに工場施設がある。


その一部がVintage Carriages Trust Museum of Rail Travel
という博物館になっていてROVER TICKETに付いている入場券で入る事ができる。


客車を中心とした博物館になっている。


Great Northan Railway 589 3等と荷物車。


GCR No176、1・2・3等荷物合造車、1876年製。


反対側はホーム高さの台になっていて、空いている扉や窓から車内を見ることが出来る。


1等は貴族の部屋という雰囲気。


2等室、革張りのソファで豪華さを感じる。


3等は座席まで板張りで幅も狭く頭上の荷棚も無い。


Great Northan Railway 2856 1/3等荷物車、1898年製。


車掌室は前後が見られる様に出窓状の張出しがある。


こちらのコンパートメントも豪華。


片側は1人掛けづつになっていて中央に扉がある。


扉の向こうは専用の化粧室。


荷物室は両開き扉で間口が大きい。


手ブレーキのハンドルと出窓の車掌席がある。


番号の記録を忘れたが、比較的新しい客車。


片側には貫通扉と幌があったが、反対側は非貫通で窓だけが付いていた。


非貫通側は車掌室兼荷物室でマネキンがディスプレイされていた。


片側が通路になったコンパートメント客車。


3人掛け向かい合わせの6人コンパートメント。
乗降扉は無いが窓は3枚あり、中央だけが開く様になっている。


マネキンと荷物がディスプレイされた部屋もあった。


Metropolitan Railway No.509。1929年製


コンパートメントタイプの多扉客車で、扉の上辺がカーブしている。


車体幅全体に渡る横方向のロングシートで1室10人まで座れそう。


No.427、車掌室付で妻面に窓がある。


こちらも扉の上角がとれたコンパートメントタイプの多扉客車。


N.509と同様のレイアウトであるが壁のデザインに違いが見られた。


展示館の奥は修理工場となっていて、補修中の車両があった。
写真右側は1/2等合造車でE43003の番号が見えた。


こちらは1958年に西ドイツから輸入されたレールバスらしい。


1台だけ蒸気機関車も展示されていた。


1893年製LORD MAYOR 軸配置0-4-0のサドルタンク機。


後ろ姿、INTER REPAIR 8-1975という銘版も付いていた。


補強は付いているが、後部も風防も1枚物の鋼板。


運転席は右側。


逆転機レバー部分は風防が切り抜かれている。


駅との間の外のヤードに貨車等がとめられていたが、ブルーシートが掛けられた大形の操重車が目につく。


クレーンにCRAVENと書かれた大きなプレートが付いていた。


初めは気付かず素通りしていたが、
Ingrow Engine ShedはCarriage Worksより駅寄りの建物だった。


館内は広くないが、蒸気機関車2台が展示されている。


No.2258 TINY。


軸配置0-4-0のサドルタンク機で説明板には1947年6月にオーダーと書かれていた。


No.1704 NUNLOW。


軸配置0-6-0のサイドタンク機。
1938年製、2018年4月にボイラーの認証期限が切れて静態保存になっている。


建物の半分程、増築された部分は工場になっている。


工場は作業中で、貨車とディーゼル機関車が見えた。


Ingrow駅のホームに戻ると裏手にEngine Shedが見え、手前に赤い客車が停められていた。


客車にはLEARNING COACHと書かれ入口が開いていた。


中は蒸気機関車の仕組みを紹介する展示があった。


次に来るOxenhope行きの列車に乗車。
この日は45分おきに列車が走っていた。


BR 4MT No.75078 1956年製で軸配置4-6-0。


客車5両編成で機関車の後ろはM4840。


2両目はE4306、片側3扉で車両間の行き来も出来る。


3両目はE4304
元は標準的な開放客車で廃車後にレストランとして使われたものが寄贈されビュッフェ車に改造されたとの事。


カウンタの向かい側は窓の下辺が高くなっている。


4両目W4774、編成でこの1両だけ台車の軸ばねがコイルばねになっている。


いちばん後ろ5両目はM9273。
荷物車との合造車で1カ所は荷物用の両開き扉で、車体中程では乗降用と車掌用の扉が並んでいる。
これら客車の写真は折り返しの列車でキースリーに戻って来てから撮影した。


Ingow駅を出るとすぐにトンネルに入る。


5両目M9273の車内。


クロスシート向かい合わせの4人ボックスで背もたれ上に座席番号の表示がある。


座席間のテーブル真上は照明が付いていて荷棚が途切れている。


車掌室の椅子にも同じ柄のモケットが張られていた。


デッキとの間に張り出す様に化粧室がある。


4両目W4774の車内、構成としてはほぼ同じ。


3号車のビュッフェ、退役してからの改造らしいが、しっかりとしたカウンタが設けられている。
ビュッフェが連結される列車には時刻表に「Real Ale Bar Car conveyed on this train.」の注釈が付けられている。


ビアサーバのタップが3つあり、2種類販売されていて、往路はWADWORTH社のエールHORIZONを飲んだ。


折り返しの列車では、もう一種類のOakham社White Dwarf Golden Aleを購入。
奥にはディスペンサーにセットされたリキュール類が並んでいる。


3両目のビュッフェ車にも客室はある。


4両目の客室、座席のモケットに1席づつの切れ目があり、車内照明が蛍光灯になっている。


中央の乗降扉前後と更にその客室の間にも窓があり扉の無い仕切が設けられている。


ビュッフェの隣の車両でWhite Dwarf Golden Aleをゆっくりと楽しんだ。


5両目は明るい内装で荷棚がつながっていた。


Dmems駅の先にある信号所で停車し上り列車と交換。
ガラス面が広い信号所で中の転轍機が見えた。


サイドタンク機No.41241のバック運転、デンダ部分の上部が斜めに切り欠かれている。


腕木式信号機も動態保存。


テンダーまで側面が揃い、きれいな編成だった。


Oakworth駅。


沢山ある小さな花壇それぞれに花が植えられていた。


Haworth駅も同じ様な雰囲気だが少し大きい。


数分遅れで終点のOxenhope駅に到着。


すぐに切り離され機関車が前進。


前方に給水塔があったが素通りしてポイントより先に進んだ。


機回し線に入り反対側に進んだ。


ホームの向かいにはTEA ROOMとして利用されているビュッフェ客車がある。


終点、Oxenhope駅舎もHaworthやOakworthと同じ形をしていた。


Oxenhope駅の先に2階建てバスが停まっていた。
日によってはOxenhope駅からHaworth村の中心街を経由してHaworth駅までを往復する観光客向けバスも運行されている。


Oxenhope駅の向かいにXHBITONと書かれた建物があった。


内部は車両の展示館になっていて早足で回る。
入口近くにあったのはNo.5775グレートウエスタン鉄道の軸配置0-6-0のパニアタンク機 1929年製。


BR 4MT No.80002 軸配置2-4-6のサイドタンク機。
1952年製で長年このキースリーワースバレー鉄道で活躍していたが2013年に静態保存となったとの事だった。


Manchester Ship Canal No. 31 軸配置0-6-0のサイドタンク機で1903年製。


London Midland & Scottish Railway Class 8F No. 48431 軸配置 2-8-0で1944年製。


London Midland & Scottish Railway Class 3F No.47279 軸配置0-6-0Tのサイドタンク機。
1924年製 2011年にボイラーの認証期限が切れて復活の順番待ちとの事。


2列目の奥に並んでいたLongmoor Military Railway Austerity No. 118 軸配置0-6-0のサドルタンク機、1945年製。


2列目の手前側は客車が並べられていた。
LYR(Lancashire & Yorkshire Railway)No.47、1912年に会員限定の特別車として作られた車両で乗降扉が中央1カ所で窓が大きい。


LYR No.279、1880年に造られた1等4室の3軸客車。


LYR No.1507、1882年に造られた3等5室の3軸客車。


LYR No.1474、1910年に造られたボギー式の車掌室・荷物室付3等客車。
これらLYRの客車はLancashire and Yorkshire Railway Trustという団体の手で修復されている。


一番奥の列も奥の客車E70470E。


妻面や扉の大きな窓が特徴的なプルマンカー。


254と255の番号が付いていた同形のプルマン客車が2両並んでいた。


奥の列の入口側にあったのはLancashire & Yorkshire Railway Class 21 No.51218
軸配置0-4-0のサドルタンク機 1901年製。


時刻表通りでも折り返し時間が20分しかなく、この日はウエールズまで行かなくてはならないので、急いでホームに戻る。


帰りの車窓から、Haworthには機関庫があり、ディーゼル機関車が垣間見られた。


復路はテンダーファーストでの運転となる。


Oakworth駅。


その先の信号所での列車交換、下り列車が先に停まってい、乗っている列車は通過。


キースリー到着前の最後のカーブ。
定刻どおりの到着だった。


キースリー駅ではテンダー部が駅舎の下になる位置で停まっていた。


すぐに機関車が切り離される。


間もなく隣の線を走り、駅の下から出て来た。


そして引き返して先頭に着く。


駅の先端のBR線寄りに信号所と転車台があった。


転車台には貨車の列が停められている。


貨車も綺麗に復元整備されている。


遊歩道の様な小路があって反対側も見られた。
2軸の有蓋貨車B768645 銘版に1956年と書かれていた。


幌付の2軸無蓋車。


車体部分が幌で覆われているが、銘版にB457878 1951とあった。


2軸有蓋貨車B757430。


同じく2軸有蓋貨車B777427、鉄製の扉になっていた。


2軸の無蓋貨車B732887。


転車台は2軸貨車1両分少々なのでテンダー機は載せられなそう。


2軸のタンク貨車A5066。


星形の銘版にJAN1938とあった。


2軸の車掌車B950179。


中央に出窓がある。


鉄製で深いアオリが付いたB122615は銘版に1954と書かれていた。
その向こうはB588438。


Keighleyでの折り返しも20分程しかない。




ホーム端で発車を撮影。


大きなスポーク動輪が美しい。


発車前に話をしたROVER TICKETで1日中往復しているという乗客を見送った。


短い日程の為、2つの保存鉄道を巡った後、長距離移動というスケジュールであったが、1日中あっても足りないボリュームがある保存鉄道だった。


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