1等2人個室寝台のチケット
額面は1人分319.4LT(約13、300円)、旅行会社の手配料金は20、300円だった
。
朝、ビリニュス駅に到着した逆方向の列車、
この編成が折り返しで夕方サンクトペテルブルクへ向かう。
客車はかなり前からホームに入っていたが機関車が連結されたのは発車15分前、
牽引機は朝到着した列車と同じTEP70−0332号機、軸配置CCの電気式ディーゼル機関車。
列車は客車7両編成で最後尾は座席車、
ホームには座席車を乗り継いで中国まで旅するというアイルランド人がいた。
乗車した客車は一番前側、この塗装はリトアニア国鉄Lietuvos
gelezinkeliaiの標準色の様である
。
機関車が連結される頃、車掌が各扉の前に立ち乗車が始まる。
1等2人用個室、枕木方向にベットが2つ並んでいる。
ベット間の窓際には大きなテーブル。
通路側の仕切には窓は無く、扉には鏡が埋め込まれている。
部屋の平面的なレイアウトは4人用コンパートメントと同じだが、上段は完全に無くなっている。
下段ベット上げて出し入れする荷物スペース、
寝ている間は開けられないので安心できる。
メインの室内照明は天井の蛍光灯、窓上には放送のボリュームつまみがある。
通路上に当たる部分の荷物置き場、かなり高い位置にあり、出し入れは不便。
上部の荷物入れを使うための折り畳み梯子。
仕切部分にはネット状の小物入れと、鏡、ズボン掛け、そして室内照明がある。
テーブルのクロスを外してみると折り畳み式になっていた。
畳んだ状態でも幅20cmくらいのスペースが残る様になっている。
列車が通過するラトビアの入国カードも記入が必要、
また、ベラルーシを経由して出国した為にロシアの入国カードが残っていて出国スタンプが無かったが、
自分でそれを抜き取り、新しいカードを記入した。
ヴィリニュスを出て30分くらい経ったころ車掌が食事を持ってきてくれた。
夕食が付くとは思いがけない事で嬉しい。
メインは豚肉を揚げた料理で付け合わせが白米、
フランスの赤ワインまで付いている。
車窓から見える夕陽が綺麗だった。
小腹が減ったので夜食をオーダー、リストから適当に”zarioji”10LT(約420円)
と書かれた物を頼んだらさっきと同じ料理だった。
それ程早い時間に到着する訳では無いが朝食は無く、
朝はコーヒーか紅茶と茶菓子を持ってきてくれた。
茶菓子、飴には新幹線0系のイラストが描かれていた。
ベットにあったタオル類にはリトアニア国鉄のGLロゴが入っていた。
通路、2人用の個室車両でも折り畳み椅子が備えられている。
窓の間には案内板があり、この列車の時刻表も掲示されている。
通路の端部、正面はデッキへ出る扉だが窓も表示も無く開けるのが不安になる。
トイレは広く洗面台も一緒になっている。
車内の暖房は石炭ボイラー。
扉の横に石炭が入ったバケツが置いてあった。
3両目に連結されていた車両、外観から食堂車かと思ったが・・・。
半室のビュフエ車だった。
営業時間は結構長い。
片側は櫛形のテーブル、通路側は窓下に小さなテーブルがある。
小窓の部分がビュフエスペースで、これより奥は2等の4人用寝台室。
この車両の寝台は全て空室で上下段とも跳ね上げられた状態だった。
更に後ろの車両は3等寝台車、通路を挟んで反対側にはレールと平行に寝台がある。
サンクトペテロブルク到着時には牽引機がTEP70BS型ディーゼル機関車に替わっていた。
製造番号は001、軸配置CCでTEP70型の改良型試作車と思われる。