鉄道世界旅行ホームページ
2001-5 東欧

ナッツェンク セーチェーニ博物館鉄道

Nagycenki Széchenyi Múzeumvasút

Fertőboz - Kastély

オーストリアとの国境に近いショプロンの近郊、フォートボズからケシュティーまでの3.6kmを走る軌間760mmの子供鉄道

ハンガリーの地域鉄道、GYSEV ジェール・ショプロン・エーベンフルト鉄道のFertőbozフェルトボズ駅が出発点。



蒸気機関車が後押しする推進運転でFertőboz駅に入って来た。
軌間は760mmで、手前に写っている本線の半分程。



運転士が身を乗り出して前方を確認する。



機関車は4つの動輪を持つタンク機で"András"のプレートを付けている。
もうすぐ停車であるが、結構な煙を上げていた。



長い本線のホームから撮影。



運転以外の業務は18歳未満の子供が行う子供鉄道。
外国人はドイツ語を話すと思われていた頃に、ドイツ語すさえ全く分からない変な客が来て戸惑っただろう。



チケットは紙製で横幅がカードサイズ、Fertőboz-Kastély片道で126Ft(約60円)。



機関車、荷物車60D、客車3両22B、20B、21Bという編成。
本線のホームも低かったが、こちらの狭軌線にはホームが無かった。



上部の車体幅が拡がっている22Bの車内、片側が2人掛けボックス配置のクロスシート、向かい側が横向きのロングシート。広い窓や梁の装飾から豪華さを感じる。



窓が3つしかない20Bの車内、基本的なレイアウトは同じで、窓
板張りの椅子が暖かみを感じさせる。



Fertőbozを出発して暫くしたところに機関庫があり、その脇に停められていた自走客車らしい車両が気になった。



その先で右にカーブして踏切のところに中間駅Nádtelepがある。
駅員や踏切の作業員も子供だが、見習いなのか私服の小さな子も一緒に立っていた。



車掌さんの仕事も子供が行っている。
販売されていたハンドブックによると、この鉄道は古くからあった路線ではなく1970年から1972年に掛けてGYSEVのイニシアチブで作られた路線との事で、扉の窓にはGYSEVのロゴがある。



その先、鉄橋を渡った所で行きどまりだが、終点ではなくスイッチバック。
Barátságという駅で機回しのため機関車が切り離される。



小さな子が年長の子供に教えられ、出発の合図を送っているのが印象に残った。



Barátságから先、機関車はバック運転となる。



スイッチバックで分岐した先にも踏切と建物があるが、駅になっていないので係員は少なめ。



その先、列車はUターンする様に右カーブが続く。



Uターンしきった所が終点のSzéchenyi-Kastély駅。
機関車は到着するとすぐに切り離される。



こちらにはレストランが入った大きめな駅舎がある。



牽引する蒸気機関車"András"は1924年ハンガリーのMÁVAG製でKisgyóni鉱山地域で働いていたとの事。



逆側の折り返しポイント。
後側のタンク部分は全面的にカバーされ、左右に楕円の窓があるだけの後ろ顔。



Barátság寄りには給水塔がある。
こちらの駅にも段差があるホームは無いが照明灯は並んでいる。



年長な駅員さんの合図で折り返し列車が出発。



路線の真ん中にスイッチバック駅があるので、両方向とも始発駅を機関車が前向きで発車となる。



日中しか走らないからかヘッドライト・テールライトはどちら側にも付いていなかった。



Kastély駅の正面は狭軌鉄道車両を展示する公園となっている。
8台の蒸気機関車が展示されていたが、軽便鉄道用だからなのかナンバープレート類も付いてない車両が多い。
駅舎内で購入したハンドブックが参考になった。



”TRIGLAV"軸配置C、軌間600mm、1912年製。



”Hany lstok”軸配置C、軌間760mm、1923年製。



”kincses”軸配置C、軌間760mm、1914年製。



KC5 V、軸配置C、軌間760mm、1916年製。



490-057、軸配置D、軌間760mm、1950年製。



OKÜ 10、軸配置C、軌間1,000mm、1870年製。



A21、軸配置D、軌間1,000mm、1900年製。



MAV 495 5001、軸配置D、軌間1,000mm、1915年製。



Kastély駅と道路を挟んで向かいの所にはセーチェーニ城Széchenyi kastélyがある。



踏切の方まで歩いて沿線撮影。



平坦であるが良い感じの煙を上げてくれた。





整列して敬礼。



列車通過後は一息。



Barátság駅の手前にあるIkva川に架かる橋は以前にあった製糖工場専用線後を利用しているらしい。



沿線に菜の花が咲いているところがあった。



シンプルな後ろ顔であるが、緑色なので絵になる。



乗車していた時は2人しかいなかった踏切だが、この時は沢山の子供たちが集まっていた。



中間駅でスイッチバックをした後はバック運転となる。



客車は乗った時よりも1両増結されていた。



帰りはケシュティーからバスに乗った、ショプロンまで146Ft(約70円)。



ショプロンからジェールまでの列車がフェルテーボズを通り、もう一度蒸機列車を見られた。



 

写真の無断転載を禁止します。