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1996-4 アメリカ経由イギリス

SVR - Severn Valley Railway

セバーン・バレー鉄道

Kidderminster 14:15発 - Bridgnorth 15:24着
 Bridgnorth 17:15発 - Kidderminster 18:21着


Kidderminster〜Bridgnorth間26kmを片道約70分かけて運転。

4月休日の通常運転日であったが6往復の運転で、

4種類もの蒸気機関車が営業列車の牽引に就いているのを目にした。

KidderminsterへはBRで行けるが、肝心の日曜午前は極端に運転本数が少なく、行きはバーミンガムからタクシーを使った。



レンガ造りのKidderminster駅。



切符は日本と同じくらいのサイズの硬券でKidderminster-Bridgnorth間の途中下車不可の往復券で大人£9(約1,440円)。



起点のKidderminster駅は頭端式ホームになっていて、付け根部分に柵が設けられている。



乗降に使われているホームは1本だけだが、両側にも短いホームがあり車両が留置されていた。



行きに乗車した列車の牽引機はNo.80079。
BR Standard Class 4で、C11と同じ軸配置1C2のタンク機であるが1954年製でとても近代的に見える。



客車7両編成、端の貫通扉にはカバーが取り付けられている。



開放タイプの客車、元1等と思われるゆったりとした座席の客車が多かった。
背もたれの上に座席番号の表示が付いている。


中程に仕切やデッキになっている部分がある。



向かい合わせ間に大型の固定テーブルがある。



コンパートメントタイプの客車もあり、こちらも1等用と思われゆったりとしている。



コンパートメント客車の通路は天井がドーム状になっていた。



近年改造されたと思われるカフェカー。
車体中程にカウンターがあり、そこから片側はロービーカー風。



反対側もラウンジスペースだが、元の座席背もたれが残された様な形で小さく仕切られている。



Kidderminsterを出たところで給水塔の向こうに機関車が見えた。
ナンバーは7822と見えGWR(Great Western Railway)Class7800の様である。



車窓右側にはサファリパークの様な施設があり大型な動物が見えた。



出発してから十数分後、Bewdley駅の傍らには多くの車両が留置されていて蒸気機関車の姿もあった。
このGWR No.813はC形サドルタンク機で1901年製、この時はロッドも無い状態であったが、レストアされ2016年にこの鉄道で復帰した様である。



ロッドは付いていたがテンダーが見当たらないNo.2857。
軸配置1Dの貨物機 GWR Class2800、1918年製で1985年に復活し、その後休眠と修復復帰が振り返られている。



出発から30分程経ちArley駅に停車。
停車時間が眺めなので、下車して駅周辺を散策する。



ここでは上り列車との行き違いがあり、Kidderminster行きとすれ違い。
牽引機はGWR No.6960でテンダーファーストで走っていた。



羊牧場と水辺のイギリスらしい車窓。



途中駅Highlyの傍らには貨車が留置されていて、両端が平たいデッキの車掌車が気になった。



その次のHampton Loade駅でも行き違いがあり、
タンク機No.4277の牽引だった。



GWRの4200型で1920年製。



この駅にも機関車が止められていた。
「Warwickshire」というプレートが付けられたNo.2047。
1926年に造られたC形のサドルタンク機で、この頃からずっと静態保存機であったが、資金を募り修復作業が行われている。



線路脇にピクニック向けのベンチテーブルが並べられ、ちょうど花が咲いていた。



終点Bridgnorth駅に機関車はすぐに切り離された。



折り返して客車の脇を走り抜ける。



機回しかと思ったが機関区側に入って停まった。
この機関車は2002年まで動態で、HighleyにできたThe Engine Houseに展示されている様である。



遠くの方に停まっていたClass 25 ディーゼル機関車D7633。
後には操重車と、ボイラーや横にした車体を載せた無蓋貨車を連結していた。



跨線橋から良い位置に見えたNo.46521 LMS(London Midland and Scottish Railway's)Class2、軸配置1Cの1953年製で、この後2011年にGCR - Great Central Railwayに移籍し2011年から動態に復活しているとの事。



Bridgnorth駅のホームより奥には機関区があり、この日は見学できるガイドツアーが開催されていた。



入換で動いていたD3586 1952年に登場したBRのClass08ディーゼル機関車。



先程、跨線橋から見たNo.46521にディーゼル機関車が連結されていた。



No.5764、C形パニアタンクのGWR 5700 Classで1929年製。
この機関車は2011年まで動態でその後HighleyのThe Engine Houseで展示されている。



No.7802 Kidderminsterを出たところで見えたNo.7822と同形のGWR 7800 Classで1938年製。
奥に見えたNo.80079は給水中で、隣に止まっていたNo.75069は25年後もここセバーンバレー鉄道で活躍している。



機関車トーマスの様に青く塗られ「1」の番号を付けられていた機関車は、
Manchester Ship Canal No.14 「St John」として1898年に造られ、
1963年に ICI Dyestuffsに売却されNo. 686 「The Lady Armaghdale」となり、
こちらセバーンバレー鉄道ではトーマス姿で2009年まで活躍して、
No. 686 「The Lady Armaghdale」の姿に戻り、
HighleyのThe Engine Houseに2021年から展示ている。



修復中でボイラが取り外された状態の機関車もあった。



番号が付いたキャブは載っていてNo.48773だった
軸配置1DのLMS Class 8Fで、この後復活し2008年まで活躍した後静態となり、HighleyのThe Engine Houseで展示される様になった。
奥に見える機関車はLongmoor Military Railway用に1943年に造られた軸配置1EのNo.600で「Gordon」と愛称が付けられた。



機関庫脇にもテンダー機が見えたが、番号は判別できない。



すこし時間があったので案内板で見た、近くにあるBridgnorth Castleに行ってみた。



街の方も少し歩いてみた。



駅前の丘から線路が見える事がわかったので、16:39着の列車をこちらで撮影。
この列車の機関車に限ってKidderminsterの方を向いていてテンダーファーストでやってきた。



駅と城跡の間は谷間になっていて吊り橋が掛かっている。



16:39着の列車を牽いて来たのはNo.7714 機関庫前に止まっていたNo.5764と同じC形パニアタンクのGWR 5700 Classで、こちらは1930年製。
この後、一旦静態になった様だが、2016年に再復活して活躍している。



この機関車は前向きで客車の脇を走ってきた。



それから機関庫側へ入線。



後部の石炭庫上部が張り出している。



LMS Class 2 No.46521との並び。



D3586は駅側の方でも動いていた。



後はゼブラ模様の平面顔。



行にArleyですれ違った列車を牽引していたNo.6960も帰って来ていた。
GWR 6959 Classで軸配置2C、1944年製。
訪れた1996年後半にSVRを去り、Gloucestershire Warwickshire Railway, West Somerset Railwayと移籍を経て2019年にSVRに戻ってきたが2021年にボイラーの有効期限が切れ、鉄道模型会社HORNBYの展示館に静態保存されている。



Kidderminster行き最終列車の牽引機はNo.7714だった。



前向きで客車の前に連結された。



ランボード上に動輪をカバーする張り出しがあり、そこに銘版が取り付けられていた。



ホームから見たNo.7714の運転室。



客車は往路とは違う編成で、より古風な雰囲気。
窓の上部分には荷棚が無い。



コンパートメント客車も連結されていて、こちらもシック。



通路の天井は片上がりで屋根と同じ曲線、仕切壁も木目になっている。



ディゼルカーの保存車輛もある様で、車窓から見えた。
BR Class 108。



Kidderminster到着直前の車窓。
往路に見えたNo.7822蒸気機関車は移動していて、奥のクレーン車が見えた。



Kidderminster駅に到着。



もう、この後の列車は無いはずだが、向かいのホームには別の客車が停まっていた。
客車を置いて機関車だけBridgnorthに戻っているのかも知れない。



 

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