鉄道世界旅行 Domestic

WEST EXPRESS 銀河
紀南コース

8077M 京都発−新宮行き
京都 22:15発−新宮 9:37着


チケットは当初おでかけネットでクシェットの事前予約を申し込んでいたが外れ、その時点で残っていたリクライニングシートの通路側をweb予約した。
それから、キャンセルで空席が出ていないか度々確認していると前日になってクシェットに空きが出ていたので予約変更した。
乗車直前にも予約状況をみてみると更にクシェットに空きが出ていた。
やはり記名化しないと転売目的の買い占めで、直前キャンセルにより空席となってしまう事が続いてしまうのだろう。


始発は京都駅。


西寄りにあり山陰本線や関空特急はるかが発着する30番台ホームから出発する。
出発案内はWEST EXPRESS GINGA / 銀河 と表示されていた。


出発時刻より20分ほど前に1号車を先頭に入線してきた。


ホームで並ぶ山陰本線の電車は221系。
117系の後に新快速に就いた後輩にあたる。


列車は117系の改造車6両編成で、6号車が先頭、京都は31番線で進行方向左側がホームとなる。


和歌山駅は4番線で同じく左側がホーム。


6号車クロ117-7016。
運転室の側の扉が埋められ、後ろ寄りの1扉となっている。


串本駅は3番線でホームは右側。


紀伊勝浦も3番線でホームは右側。


終着駅新宮の到着ホームは1番線で、同じく右側がホームとなる。


楕円形のヘッドマークのステーはハット形をして車両と一体となっている様で、ヘッドマーク無しという姿は想定されてなさそうである。


6号車はグリーン個室プレミアムルームとなっている。


折れ曲がった通路の両側に個室が並んでいる。


複数名用個室4室と1名用個室1室がある。


複数名用個室は台形状な面積の空間で、大きな窓に対し斜めに向いたソファーがあり、背もたれをスライドする事で多きなベットに変換する事ができる。
その為、夜行列車での定員は2名、昼行列車では3名と設定されている。


ベットは頭側の方が幅広く、入口は幅の狭い側に設けられている。


通路の先、運転室後ろ部分にはフリースペース彗星があり、こちらは普通車の乗客でも利用可能となっている。
前方を見る事ができる右側の小窓と、通路側の窓付近にスタンドテーブルがある。


後方に運転室方向に向かった木製ベンチがあり、座布団が2枚固定され、こちらにはテーブルが無い。


扉脇にも小テーブルがあるベンチのコーナーがあり、それより連結部側が化粧室と洗面所がある。


こちらの化粧室は狭いタイプで別に洗面所があるが、室内にも手洗い台がある。


5号車、モハ117-7032、パンタグラフ付きの電動車で、片隅に丸窓がある。


こちらは普通車指定席扱いのクシエットで、こちらが通路側。


2段ベット向かい合わせの簡易寝台となっている。


通路との間に扉は無く、寝台部分は鎧戸的な仕切で部分的にクッションが付いている。


上方から見た個室内、窓は大きくなっているが、各区画で異なり、窓際の寝台間に4つのコップ溝が付いた丸テーブルがあるが、振り分け的に45°回っていた方が実用的だと思う。


上段は天井から下りたパイプが、支柱、柵、梯子の役割をして床面に達している。


上段寝台、2段式であるが天井は通常の電車と同じ高さなので頭上に余裕がない。
カーテンが無いのはヨーロッパにある簡易寝台クシエットを基本と考えたと思われるが、あちらの新型車ではスライドシャッタで完全に囲われるカプセルホテルの様なMiniCabinと呼ばれる新しいクシェットが登場している。


通路側は上段も鎧戸状の仕切が上まで達していて通路上の荷棚などは無い。


下段寝台は、昼行列車では座席と利用され、2人掛けとなり、照明や物入れ等はその間となる場所に取り付けられている。
高さを確保する為もあってかベッド面が低いが、座った時の膝下も低くなり、背もたれが遠く直角で硬い材質なので、長時間座っているのは大変そう。
背もたれにならない固定梯子の奥辺りに荷棚に出来る折り畳みテーブルでもあればと思った。


梯子は固定式であるが、踏面の幅が狭く、靴下か素足になるのでで昇り降りする時は足が痛かった。


通路や上段から直接見下ろされる感じになる為であろうか、下段にはカーテンが掛けられる様になっていた。


各寝台には枕カバーのみと毛布が用意されていて、コートを折り畳んだ上に枕カバーを掛けて寝た。


照明が大きすぎると思ったが、間接照明でボリュームスイッチの下にAC100Vの電源コンセントがある。


せっかく窓が拡げられているが、摺りガラス状のアクリル製保護板があり上段から景色を見る事は出来ず、ブラインドを下ろすのも困難になっている。


乗降扉寄りの1室はバリアフリー対応のクシエットになっていて、下段相当のベッド兼座席が直角に配置された2人室となっている。


他の区画よりとても広いが、他のクシエットでも支障無い人にとっては、開口部が大かったり窓に面して座る事が出来ないなどのマイナス面があり、それほどメリットが無いので、バランス的に良いと思う。


こちらの車両にもドアサイドの片隅に2人分のベンチシートがありフリースペースとなっている。


こちらの乗降口まわりは広いスペースがとられている。


乗降扉より車端側にバリアフリー対応の化粧室と、アクセスしやすい洗面台が別に用意されている。


バリアフリー対応の化粧室、洗面所が外にあるので手洗台は簡素になっていて鏡は高い位置にある。


ベビーチェア、オムツ交換台の他、着替え用の踏み台も用意されている。


4号車、モハ116-7032、パンタなしの電動車。


この車両の窓配置は左右対称。


この車両はまるごとフリースペース「遊星」となっている。


2/3程はウッドデッキの小上がり席となっていて、向かい側は窓際に丸いスタンドテーブルが並んでいる。


境目はベンチの様に利用できる小さなウッドデッキとなっている。


残りの1/3は食堂車的な大テーブルがある2人掛け向かい合わせのボックスシート。


テーブルの真ん中は裏返すとチェス盤の様になり、窓下にはAC100Vの電源コンセントがある。


3号車、モハ117-7036 パンタ付き電動車。


片側だけであるが、扉を埋めた辺りに丸窓がるのが特徴。


この車両は元々の扉間にあたる中央部分が普通車指定席のリクライニングシートとなっている。


回転リクライニングシート2+2配列。


元々は117系なので窓と座席のピッチは合ってなく往路は3番、逆向きとなる復路は2番と5番がハズレ席になりそう。


手前が背もたれを一杯まで倒した状態、最前列は特に足元が広く仕切壁にテーブルがあるが、広げてもまだ遠く感じる。その他に小テーブルが肘掛部に内蔵されている。


2列目以降は前席背面に大きな折り畳みテーブルがあり、リクライニングシートにも毛布が用意されていた。


リクライニングシート客室の前方は通路が突き当りになりクランクしている。


その先にあるのはファミリーキャビンという普通車指定席扱いの半個室。


小上がりの様になっていて、固定式のハンガーと丸窓、縦長の窓が並んでいる。


全面に展開しマットレスに出来るソファーが付いた桟敷席で、通路との間は鎧戸状になっている。定員3〜4名で2室あるが、夜行列車では2室まとめて3〜4名で予約する形となっている。


デッキとの間の仕切には扉は無く、厚みがあって荷物置き場の棚を兼ねている。


乗降扉より車端寄りはフリースペースの明星となっていて曲線を描いた大きなテーブルがあり、それをとり囲む様に丸椅子が配置されている。


その反対側にはテーブル類は無くあっさりした感じ。
乗降扉の上には編成全体の設備案内図が貼られている。


照明はテーブルの真ん中付近に電気スタンドがまとめて配置され、夜間でも外が見える様暗めになっている。


テーブルと窓の位置関係があり車窓を楽しめる席は少ないので、反対側の窓際にも小さなテーブルや椅子があった方が良い様に思える。。


2号車モハ116-7036、パンタなしの電動車。


こちらはクシェットとリクライニングシートの女性席車両となっていて、この車両か1号車の乗客以外は立ち入れない様に表示されている。


1号車クロ116-7016、グリーン車はモータの無い車両となる様に配慮され両端となっている。


窓は変則的な並びとなっているが扉より後ろ側は全てファーストシートとなっている。


6号車とは異なり、連結側寄りの窓が埋められていて、運転室後ろの扉だけになっている。
串本駅にて。


紀伊勝浦も同じ側の3ホームで向かい側にホームは無い。


終点、新宮駅も同じ側となっていたが、こちらは反対側にホームがある。


反対側のホームに上がると、引き上げ線に向かって出発して行くところだった。


ファストシートは、かってのプルマン式A寝台の下段のみと言う感じの構造で、1人掛け席の向かい合わせとなっていて、座面をスライドさせる形で寝台となり、昼行列車では1区画2名、夜行列車では1区画1名で利用する様になっている。


通路との間は仕切り状となっていてカーテンが掛かる様になっていて、グリーン車扱いとなるこちらでは枕も用意されていた。


運転室後ろは1号車ファーストシートの乗客だけが利用できるラウンジスペースがあり、乗降扉の隣となるので停車中に開いている扉から見ることが出来た。


背もたれ肘掛け付きの椅子が半円形のテーブルを挟むように2脚づつ両側に配置されていた。


フリースペースは多いが、おひとり様で車窓を楽しめる席は少ない。


お酒やツマミはスーパで買っておいた。


新大阪では隣のホームにパンダくろしお号が停まっていて、枕カバーのパンダが並んで見えた。


和歌山では23:42から約1時間停車、歩いて数分の「麺屋ひしお」が銀河の乗客専用で開店して和歌山中華そばをテイクアウトで購入できる。


ラーメンどんぶり形のポリ容器に入っていてtabiwaで予約すれば\1,000。


列車内のフリースペースで食べる事が可能だが、ゴミはホームに用意された袋に捨てる様にされていた。


新大阪で隣に停まっていた編成だろうか、食べ終わった頃パンダくろしお号が到着。


1番線と4番線だが2・3番ホームが短いので並ぶ様になる。


その後、寝台で就寝、荷物はベット上で脚の脇に置く事になる。


寝台で横になった時の眺め。
廊下の方からモーター音が大きく聞こえ、元が117系であった事を実感。
普段乗る北海道の電車はモハかクハかも気にしないくらいなので、とてもうるさく感じた。


外が明るくなると海が見える様になっていた。


車窓をたのしむ為にフリースペース明星へ。


6:50串本駅に到着。


列車の写真は後に回して駅の外へ。


銀河の乗客の為に橋杭岩までの臨時バスが運行されていて片道500円、
往復だと1,000円であるが日中定期運航されている、観光周遊バス「まぐトル号」に乗れる2日券を購入する形になる。


数分で到着、ワゴン車タイプで乗客が多かったので2台でピストン運行されていた。


到着した頃、ちょうど陽が出るところだった。


海面に浮かぶ奇岩の景色を、最高な時間に眺める事が出来た。


岩から太陽が出るところを狙うなどしながら周辺を散策。


復路もバス乗り、串本駅の待合室へ行くと予約販売の朝食弁当の引換が始まっていた。


ホームの案内表示は「銀河」となっていた。


下り普通列車の到着を待って串本を出発。


tabiwaの予約販売で串本駅で受け取ったお弁当「海と大地と宇宙(そら)の町串本の恵み」\1,200


地元食材を使ったおかずが沢山並び、昨晩残したお酒とともに少しづつ楽しんだ。


4号車「遊星」では車内イベントが行われる。


この時は熊野曼荼羅絵解きが行われ大盛況だった。


絵解き終了後もしばらく熊野曼荼羅が展示されていた。


海の眺めは随時現れる。


湯川で運転停車し、くろしお16号と交換。


遠くからも列車が見え良い景色なので、ホームに出られる様にされていたら嬉しいと思った。


その前からかも知れないが、紀伊勝浦を過ぎたらリクライニングシートの客室が空いていた。
ただ車窓を眺めるなら、こちらが一番楽だと思った。


砂浜や奇岩など景色の変化が大きい。


9:37、終着の新宮に定刻で到着。


改札付近では横断幕を広げたお出迎えがあった。


写真を撮ろうと反対側ホームに移動して間もなく、列車は先の方に引き上げて行った。


暫く待っていると、折り返して留置線の方へ入っていった。


そのまま奥に進んで行き見えなくなった。


新宮では銀河運行にあわせ、ガイドツアーが企画されていて、この日は「新宮鐡道の軌跡散歩」という有料コースの実施日になっていたので事前に申込み、駅前の観光案内所へ行った。
他に観光案内所では銀河の乗車チケットを提示する事でクリアファイルがいただけた。
右の書籍はツアー終了後に観光案内所にて別途購入したものである。


新宮鐡道の開業は紀勢本線の開業よりずっと早く、現在の紀勢本線とは直角方向に駅前となったこの辺りから線路が延びていて、その新宮鐡道や貨物線の跡を解説を受けながら散策した。


かっての王子製紙引上げ線跡の道の途中にある「あけぼの公園」にはC11 96が静態保存されている。


あまり状態が良くないが、新宮鐡道が国有化された際に導入された機関車で、当時は新宮-勝浦間以外の線路とつながってなく、こちらではターンバックル式連結器が用いられていたので、バッファが取り付けられた痕跡があるとても珍しいC11であるという解説があり、戴いたレジメにはバッファーが付いているC11 98の写真があった。


熊野地駅があった場所より少し進んだ所で折返し、帰りは現在の紀勢本線と結ばれていた貨物線跡を辿って新宮駅の方に戻る。


最後に現在の新宮駅を見渡せる建物の屋上から解説を受けツアー終了、タイミングよく銀河の編成が入換で行き来し、通常立ち入れない場所からWestExpress銀河を撮影する事が出来た。


1番線にはくろしおが入線していた。
ガイドしていただいた方は、蒸機機関車がまだ現役で普通に走っていた頃にヨーロッパを撮影して巡られたという大先輩と言える人であった。


ツアー終了後、一人で歩いて熊野速玉大社を見て来た。
今回参加した「新宮鐡道の軌跡散歩ツアー」と同じ時間帯になるが、
銀河が到着した後に無料の「熊野速玉大社ガイドツアー」も開催される。


速玉大社からの帰りがけ、留置線に停まっている銀河編成が見えそうだったので線路沿いの道路を歩いてみた。


ちょうどパンダくろしお号が到着するところで、もう一度一緒に撮影できた。




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