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2023-8マレー縦断
SRT Special Express 夜行列車
中国製寝台車


ハートヤイ発-バンコク行き
Special Express 32

Hat Yai 17:45i発-Krung Thep Aphiwat Central10:30着


タイ国鉄のホームページから予約できる様になったが、リニューアルしたホームページは列車予約以外の情報が少なく時刻表や路線図も無い。



列車検索までそのまま可能だが、列車選択して進むにはパスポート番号等でメンバー登録してでログインする必要がある。



列車選択の後、等級・設備を選択し予約可能だと座席選択に進める。
もっと以前から予約可能だった様で1か月前に確認したところ残席は少なくなっていた。
選択できる車両は2両のみで最後の残っていた下段寝台を予約できた。
料金は2等寝台下段で1,103バーツ(約4,550円)。
上段も3席しか残ってなかったが、乗車した時は終始空いていた所もそれなりにある様子だった。



座席選択して購入するとチケット画面が表示されPDFでダウンロード可能、メールでもPDF添付で送られてくる。実名制でチケットにフルネームの記載がある。



ヤードのホームに一番近い線にステンレス製の電源車付の編成が停まっていた。



全車新しい中国製ステンレス客車の編成で他に、中国製客車の編成は無いので、こちらが乗車するSE32列車になると思った。



電源車を入れて客車13両編成。



ヤードの奥の方に機関区があり、この後牽引する事になるNo.5220も停まっていた。



ハートヤイを通りバンコクまで行く列車は4本あり、一番先に出るのは数十km南東にあるヤラー始発のRAP170列車、ハートヤイ14:31発で終点クルンテープ・ アピワット中央駅に8:25に着く。
日立製のHID型No.4506牽引客車10両の編成で荷物車に続き2・3両目が冷房付寝台車、4両目が非冷房の寝台車、残り6両がボックス席の3等車という編成だった。



次の列車は東寄りのマレーシアとの国境にあるスンガイコーロック始発のRAP172列車。ハートヤイ15:50発で終点クルンテープ・ アピワット中央駅に10:30に着く。
この列車もHID型が牽引して到着したが、ハートヤイで切り離され中国製QSY型No.5215の牽引で出発、こちらは客車12両で荷物車に続き2・3両目が冷房付寝台車、4両目が非冷房の寝台車で5両目が非冷房2等座席車、残り7両がボックス席の3等車という編成だった。
尚、この後が乗車する17:45発SE32列車で、最後はスンガイコーロック発とパダンブサール発が併結するSE38/SE46列車でハートヤイを18:15に出発する。



ホームの横にあった蒸気機関車は軸配置2C1の3シリンダー機で1928年製アメリカ、ポールドウィン製との事である。



駅前には軌間600mm、1949年日本の協三工業製というB形の蒸機機関車が静態保存されていた。



駅の建物の一角は壁が客車の様にペイントされ、曲がった所にはヘッドライトや運転席窓が表現されていて日本で言うPDCの様になっていた。



街で軽い食事をして駅に戻ると、乗車するEXP32が既に入線していて、牽引機は中国製QSY型No.5220。



2022年中国中車製で、エンジンはドイツMTU製1基で、2基搭載しているDF-200の方が出力的には大きいが、全長は20mあり内部がスカスカしている様に見える。



機関車の後ろが個室の1等寝台車で2号車となっていた。



2016年訪問時にバンスー駅で中国製寝台車の試運転列車を見掛けていて、この時に屋根が無く低いホームで撮影していた。2016年撮影



通路側は窓が少ない。2016年撮影



個室側は正方形に近い窓が並んでいる。



続いて3号車ANS1326、4号車ANS1325、5号車ANS1378、6号車ANS1333、7号車ANS1314、表示無(8号車)ARC1106、9号車バリアフリーANSH1406、10号車1357、11号車1304、12号車1348、13号車ANS1363、一番後ろが電源車APVC1006という編成で、客車13両中9両がANS1300番台のエアコン付2等寝台車で向きも揃っていた。



2016年試運転時に撮影したエアコン付寝台車ANS1318。
プラグドアの下に外部ステップもある。2016年撮影



洗面所、便所に窓が無く反対側はほぼ対称。



台車はボルスタレスのもので、大きめな銘板が付いていた。2016年撮影



編成中8号車と9号車は他の車両と扉のある向きが異なる。



8号車は食堂車で厨房のある側は窓が少ない。2016年撮影



通路側は窓が並んでいる、7号車と9号車の間にあり問題ないが、この車両がけ扉脇の表示は列車番号、号車番号とも0が並び、他に行先等は表示されていなかった。



9号車はエアコン付き2等寝台車であるが、バリアフリー設備付。2016年撮影


この車両の扉付近だけ上の方まで赤い塗装で編成中のアクセントになっている。



10,11,12,13号車とANS形が3両続いた後に電源車があるが、こちらにも他の車両と同様なデッキがあり、扉脇にある表示器では1号車となっていて扉が開いていた。



扉の無い側が編成端となるが、中間車と同じ切妻で幌が無いだけの様である。2016年撮影



上から見た電源車、2基の発電エンジンを積んでいる様である。



2等寝台は日本であった開放型A寝台と同し構成。



寝台間の仕切は固定式で開放感を確保するために上方の幅が狭くなっていて、通路上に大きな荷棚がある。



向かい合わせのボックスシートであるが、寝台に合わせ1人づつ割り当てられている。



窓際には大きめな折畳みテーブルがある。



ベース部分はドリンクホルダーになっていて、乗客サービスのペットボトル水が置かれている。



壁には寝台灯と電源コンセント、網状の小物入れがある。



客室の仕切扉は押しボタン開閉の引き戸でガラス面が広い。



洗面台は2ヶ所あるが、仕切は無く鏡は連続している。



トイレは男性小用1ヶ所を含め3カ所あり、こちらにも手洗台と大きな鏡がある



13号車から電源車の1号車に渡る事が出来、その先は立ち入り禁止となっているがトイレは利用できる。



こちらは入口の向きが異なり若干広い。



9号車のデッキには車椅子用のリフトが装備されている。



その脇の通路に折り畳み式の棚がある。



棚は車椅子を置くための物で窓を挟んで2カ所あった。



その通路の向かいが車椅子対応のトイレとなっている。



手洗台はコーナにあり高さが低めとなっている。



8号車の後ろ側は片側だけコーナーテーブルや折り畳みテーブルがある広いスペースがあり、車内販売用カートが置かれていたが、元々は車椅子利用客の為の食堂として用意されたスペースかも知れない。



そちらと扉で仕切られた先が食堂になっていて、仕切にも窓がある。



食堂は4人用テーブルが両側に並んでいる。



外部の乗降扉脇には大きく「1」と書かれているが、中国の新しい食堂車とは違い座席番号は振られていない。



テーブルも座席も固定式で背もたれは低め。



セットメニューが基本で価格は190バーツに統一されていた。



裏面には朝食やステーキ、小皿物があった。



海老チャーハン、春巻き、クリアスープ、季節のフルーツというセットを頼んだ。
弁当の様な感じで安くないが、食堂車で食事できるのは貴重。



食堂スペースの奥にレジがあるにカウンターが斜めに配置されている。



カウンターの奥にある厨房との間に小窓がある。
上の表示からすると夜は22:00まで、朝は5:30から営業している様である。
尚、タイの列車では飲酒は禁止されていて食堂車ではアルコール飲料の取り扱いは無い。



カウンター側から見た食堂、ガラス仕切が両側にあるだけで開放感がある。



厨房脇の通路、窓部分に手摺が付いている。



1等寝台は2段ベットの2人個室。



1部屋ごとにベットがある前後位置が違っていて、向か合わせになる部屋同士はコネクティングルームにする事もできる様になっている。



始発時点では座席状態で、発車すると遅い時刻から乗車してゆる席から寝台のセットが始まる。



上下段ともマットレスが敷かれる。



まだ空席の寝台はカーテンが中央にまとめられた状態にセットされる。



掛け布団は袋に入った状態だが、シーツまでセットされる。



仕切部分に2段分の梯子が折り畳まれていて、肘掛下のくり抜き部に足を掛け、その梯子を使って上段に上がる様に考えられている。



上段は片側がクッションの状態で幅が狭く窓やテーブルが無いが価格差はチケット全体の1割程になる100バーツだった。



片側に網状の小物入れや寝台灯と電源コンセントがある。



寝台灯側の仕切部分の上方にハンガーフックがあり、頭側となるので物を掛けると顔の邪魔になり、起きている時は後頭部に当たる危険性がありので逆側にあった方が良さそう。
その下に張り出している金具は寝台格納用と思われる。



梯子は2つの寝台で共用できる様に仕切ひとつおきにあり、梯子が無い仕切部の天井に荷棚が下がっている。



片側が寝台で、反対側が座席の状態。
片方が先の駅から乗車だったり、上下の乗客が合意して希望すれば寝台をセットしてくれる。



上段の幅が狭くなっているので、両側ともカーテンの状態となっても、昔乗った日本の583系の様な圧迫感は無い。



梯子がある仕切前の天井に液晶モニターが下がっている所がある。



モニターでは地図や路線図による現在位置や時刻表が交互に出て、その周りに様々な列車情報が表示されている。



カーテンを閉めた下段寝台内、カーテンが薄めで寝台灯より明るい。



窓側のカーテンを開けていると寝台内が窓に映り広く見えるが外は見にくい。



上段を受けている金具のうち片側は跳ね上がり防止のストッパ付きとなっている。



仕切部にあったシール、乗っている時は気付かなかったが、上は重い荷物を置かない様にとあり、下は引くと下がるとあり、図から背もたれ脇のベルトの事だと思われ、もしかしたら日本のあ寝台の様に背もたれ上部を棚に出来たのかも知れない。試してみればよかった。



カーテンは浅めなフックがパイプに掛かるもので、上段が開いている状態だと隙間が大きい。



寝台で横になった時の眺め。
上段の下面もモケット張となっている。



朝、目覚めた時の車窓。
樹木が南国らしい。



連なる山が遠くに見える。



食べ物を売っていそうな大きめな駅に停まった。



リゾート地として有名なホアヒンで、風情のある駅だが、時刻表を見ると30分以上遅れていた。



駅舎の先に小さめな宮殿建築の建物があった。



この辺りから路線改良工事を光景が多くなり、PC枕木の線路が薄いバラストに載った状態の隣の線に大型ボンネットトラックの軌陸車が停まっていた。



建設途中の高いホームもよく見かけられた。



新しい駅舎もあり、なんとなく中国っぽさを感じる。



橋も新しく建設されていた。



こちらは車線が多い幹線道路の様であるが人家が少ない所でもUの字を描く非効率そうなオーバークロスがたくさん建設されていた。



数少なくなった踏切も廃止予定なのか遮断機は使われず手動お柵になっていた。



保線機械も様々見掛ける。



日本にもありそうなマルチプルタイタンパー。



そして北斗星色のDD51の姿もあった。これは7・8年まで北海道で走っていた本物、自宅の部屋からも見られた車両で、突然現れて前側を撮れなかったのが惜しい。
踏切が廃止され人道跨線橋も多く造られている。



DD51はホッパ貨車を牽いていて反対側はモーターカーだった。



その後、動物の群れが列車に向かって来る不思議な光景が見られた。



大きなお寺院が見えた。
後で調べるとバーンポン寺院というお寺で近くに駅もあるがこの列車は通過。
ここも手動柵の踏切だった。



その先には大きめな教会もあった。



列車は大きくカーブして前方の車両が見えた。



寝台から座席への転換も、希望された所や下車した席から順次行われる。



下側の背もたれ部分がスライドして寝台になっていた。



オーバークロスを造る土地取得が難しいのか、それとも高架化の計画があるのかバンコクが近づくと従来の踏切を見掛ける様になった。



近郊電車線レッドラインと平行する様になる。



高架線がインターチェンジの様になると終点間近。



重なる様な高架の下に車両基地が見えた。



終着手前の車内風景。



終点クルンテープ・ アピワット中央駅に到着、25分遅れで早朝の途中駅よりは回復されていた。



クルンテープ・ アピワット中央駅の西側に従来のバンスー駅があるが、反対の東側には新しい車両基地が出来ていて、古びた留置車両の中に元々日本のブルートレインだった客車の姿もあった。中国製の新型寝台車の導入で、日本かわ渡った14/24系寝台車は定期運用がなくなってしまった。



手前に停まっていたのは試作されたバッテリー駆動式電気機関車で、バッテリを搭載したコンテナ貨車の様な車両とペアで、充電設備もこの場所にあった。



オハネ15又はオハネ25100番台2両と12系2両が連なって留置され、この時はもうタイに来たブルートレイン車両が動くところは見られないと思った。



しかし、その先の方に進むと新しい塗装をした旧ブルートレイン車両が車庫内にあり、これを見て希望が持てた。



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