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2016-4 バルチック・フィンランド

Höyryveturimatkat1009 Oy
蒸気機関車ツアー列車

MUS1945列車 Helsinki8:54発-Salpausselkä 10:52着
Salpausselkä11:25発-Järvelä 11:58着
Järvelä14:20発-Salpausselkä 14:53着
MUS1946列車 Salpausselkä 16:02発-Helsinki18:11着


ユヴァスキュラからヘルシンキに戻って来た時、
発着案内表示のMUSという文字が気になった。


17:03着のMUS1942は既に手遅れだったが、
MUS1914の時間に中央駅に行ってみると
クラッシックなレールバスが停まっていた。


Dm7型、1950年代に登場したDMU。
欧米では蒸気機関車だけでなくディーゼルや電車の動態保存も多い。


連結部に幌は無いが、貫通扉の前に畳められていた板が。


翌日土曜日の朝、発着案内をチェックすると
MUS1945列車 Helsinki8:54-Lahti/Lahtisという表示があった。


既に番線まで表示されていいたのでホームに行くと
ちょうど推進運転で貨車を先頭にした編成が入ってくるところだった。


先頭は蒸気機関車、デフは見慣れた形だった。


機関車は駅のドーム屋根から外れている。


110km/hという表示が目に入る。
機関士と立ち話をしていた車掌に尋ねてみると
クラッシックカーレースに合わせた特別列車で
ヘルシンキに戻ってくる時間は6時頃で
何とこれからでも乗る事が出来る事がわかった。


案内された車両の空いている席に着席。


ほぼ定刻でヘルシンキ中央駅を出発。


出発して間もなくチケットを販売しに来た。
クラシックカーレースの観戦チケット付きと無しのコースがある様で、
無しの方で1人50EURのチケットを購入した。


デッキに時刻表が貼られていた。


到着時間が近づいてきた頃、
列車は本線から離れていった。


そして車窓から
古い転車台と扇形庫が見えた。


その反対側には蒸気機関車が停まっていた。


2時間後、傍らにクラッシックカーが並んだ
低いホームの所に停車し乗客が下車。


多くの人々は観戦チケット受け取ってレース会場があると思われる
前方へ進んで行った。


その後、列車はJärveläという所まで2往復する
時刻表が貼られていた。


しかし時間より早く、列車は推進運転で後退してゆく。


暫くすると機回しして後ろに付き戻って来た。


推進運転にも対応できるように
テンダー上部の幅を狭くして視界を確保されていた。


ヘルシンキ近郊列車の路線図。


その右上の方、LahtiとRiihimäkiを結ぶ路線に
Järvelä駅があった。


Järvelä駅に着くと機関車が切り離されたところで、
定期列車が通って行った。


機回しの為、ホーム向かいの線を単機で通過。


Salpausselkä行が前になるので、
Järveläに残り発車を撮影する事にした。


駅近くで唯一開いていた食堂でハンバーガーとビール。
尚、特別列車内ではアルコール禁止となっていた。


この路線を通る貨物列車もあった。


時間少々経ち、Salpausselkäからの列車が到着。


今度は機関車が離れてゆくところを撮影。


そして、再びSalpausselkä間で乗車。
数は少なくなっていたが、まだクラシックカーが停められていた。


また少し推進運転で押し戻し、機回しかと思ったら枝分かれしていく
線路の方を進んで行った。


折り返して、また別の線を進む。
三角線になって方向転換できるのだろう。


使われなかったが、途中に給水塔があった。


Salpausselkä到着前に見えた扇形庫と停まっていた蒸気機関車は
その三角線の中になる。


バック運転で転車台横を通る。


車窓から見えた蒸気機関車は1047というナンバーで
静態保存機というか放置され錆びれていた。
軸配置1D1のTr1型で、1009とは別形式である。


特別列車を牽いている1009は
軸配置2C1でUkko-Pekkaというニックネームがある
Hr1型蒸気機関車。



Hr1型は1937年から1957年に掛けて22両生産され、
1009号は1948年製。


フィンランド Lokomon社製。
動輪径は1900mm

往路の最後尾、復路は機関車の後ろにつながれるのは
貨車の48405-5。


両側の上隅に通気口がある2軸貨車。


その後ろは荷物車のようなスタッフ専用車両で縦に板目が入っている。


その後ろから、乗客が利用できる客車で
青い車体の客車が3両続いている。


一番ヘルシンキ寄りになる22364。
背もたれが板張りで、片側がL字のロビーカー的な配置になっていた。


中程にカウンターがある。


カウンターには様々なお菓子が並べられ販売されていた。


窓間に球状のガラス製ランプが並び荷棚は無い。


仕切部には鏡とエンブレムが配置されていた。


化粧室は乗降扉と客室の間にあり、入口はデッキ側になっている。


化粧室内、手洗い台の上に台形状の大きな水タンクがある。


乗降扉の戸窓は楕円形。
車内側の床には段差がない。


扉は内向きに開き、間に柱が残る。
外側には3段のステップがあり
カーブを描く手摺が用意されている。


青い客車の2両目は22366。


通路を挟んで2人掛けと1人掛けの席が並ぶゆったりとした車内。


シックな雰囲気で格調を感じる。


こちらも窓間に球状のランプが並んでいて、
高い位置に荷棚がある。


座席は揃ってなく、ちょっと違っている所もあった。


1人掛けの方はクッションが無い背もたれの椅子もあった。


窓には赤いカーテンが掛かっている。


座席間には大型の固定テーブルがある。


貫通扉に張り紙、矢印もあったので進んでみたが最初は行き止まりかと思った。
後でKAHVILA-VAUNUを訳したらカフェカーだった。


青い客車の3両目は22365。


座席はテーブルを挟んだ向かい合わせ配置で、
元々2+3配列なのだろうか左右で座席の幅が違っている。


背もたれは低めで、千鳥状に左右どちらかの背もたれから
天井まで木材の柱が立っている。


窓と座席のピッチは合わされている。


こちらも車体中程にカウンターがあった。


時間が経ってから行った為か、並んでいる物は少なかった。


カウンターの奥に陳列棚があって、
もう1両のカフェカーと基本的な造りが同じだった。


木目が入った木材が壁や仕切に使われている。


荷棚は無く、窓上の列にタイルに描かれた絵が飾られていた。


天井も板目でランプが中央1列に吊られていた。


化粧室内も木目調の壁だが
楕円形の明かり取り窓の周りは四角く縁取りされている。


手洗い台、
蛇口のパイプを手前に旋回させると水が出る様になっていた。


狭いから斜めに座る様に考えられている様で、
便座も左右対称形になっていない。


連結部、貫通扉は内開き。


貫通路は鉄製の枠とチューブ状のゴムクッションで構成され
下部分は柵も出る様になる。


外から見た連結部、
鉄枠部には細長い窓も付いている。


乗客が利用できる一番ヘルシンキ寄りの車両は茶色い車体で形も違っていた。


貼り文字で22792と車番が大きく表示されていた。


車内はクロスシート2+2配列向かい合わせ配置。


鉄製のパイプなどが多用され他の車両より近代的に思えるが、
普通な感じも心地良い。


かって日本にあった修学旅行専用車両の様に
座席の真上に荷棚がある。


窓は上部だけ内側に倒れる様に開き、遮光はカーテンになっている。


テーブルの下に屑物入れがあるのは細心の車両まで変わっていない。


窓上に各種注意のイラスト入りステッカーが貼られていた。


荷棚は正しい網棚で、小さ目であるが窓上にもある。


背もたれ上に座席番号のプレートがあり、
見える様に枕カバーが切欠かれていた

仕切にあったレバー、
HÄTÄJARRU
VAARAN UHATESSAJUNAN SAA PYSÄYTTÄÄ VETÄMÄLLÄ KATOSSA
TAI SEINÄLLÄ OLEVASTA HÄTÄJARRUTUSKAHVASTA.
訳:非常ブレーキ
危険の保証は、警告または緊急の緊急装置によって停止されなければなりません。


換気や空調かと思ったら緊急停止レバーだった。。


リンクが壁の外側出ている個所もあった。
下のプレートのNÖDBROMSはスゥエーデン語で非常ブレーキ。


こちらはベンチレーター用のハンドルだろう。


デッキと客室の間に仕切られた空間があった。


そこに木製の折畳み椅子があり、バネで跳ね上がる様になっていた。


VALOKATKAISIN 照明スイッチ
PORRASVALO スターライト
青と黄色の丸いプレートは
照明スイッチで専用のレバーを取り付けて操作する様だ。


化粧室の扉。
VAPAA/LEDIGT(自由)と鍵の状態も
フィンランド/スウェーデン2か国語で表示される様になっている。


こちらの化粧室はトイレが通路向きになっていた。


蓋と便座の取手が異なる場所に取り付けられている。


それ程足元が狭い様でもないが、穴が斜めに開いている。


単純な造りの鍵に見えるが、
外側に状態が表示される構造になっている。


手洗い台の上に台形状の大きな水タンクがあり、
鏡は横の壁に付いていた。


反対端の化粧室は左右対称のレイアウト。


水タンクは違うタイプの物に取り換えられていた。


その向こうの車両との間には幌が無く、
向うの窓にはHENKILÖKUNTA(スタッフ)
という張り紙があった。


横須賀色の様なツートンカラーの客車、
台枠にBT01172という番号が書いてあった。


もう一度発車するところを見たいと思い
帰りはヘルシンキの1つ前のPasilaという駅で下車した。


Pasilaはヘルシンキまで行くの全近郊電車が停車する駅で、
次の電車でヘルシンキへ行くと、
蒸機列車がちょうどバックで回送されてゆくところだった。


翌朝も中央駅の発着案内を見ると、昨日と同じく
8:54発MUS1945の表示が出ていた。


地下鉄に乗って中央駅より先の公園まで行った。
サイドから狙う手もあったが被られるのを恐れて
跨線橋近くで撮影する事にした。


地下鉄に乗って中央駅より先の線路端へ行った。
昨日は定刻で発車したが、今日は出発時刻を20分過ぎた頃に
推進運転の回送列車が通った。


出入りの都合だろうか、
ちょうど目の前で10分近く止まっていた


遠くにヘルシンキ大聖堂が見える。
他にもしばらく停まっている編成も多く、
隣のダブルデッカー客車編成は、蒸機列車が発車した時まで停まっていた。


ヘルシンキ中央駅の出発は定刻より45分遅れとなった。


入線時と反対側で構えていたが、
停まっている編成の手前側を通ってくれた。


並走やすれ違いが多い。


有蓋貨車が2両になり、最後尾が無蓋貨車になっていた。
昨日と違い今日はヘルシンキに戻ってこない。


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