切符は乗車前日に上海駅で購入。
中秋、国慶節の連休前なので切符売り場が混雑しているのではと心配していたが、
3日前までの切符だけを扱っていて、更にオンライン購入も普及したのか
長い列にはなってなかった。
上海虹橋-寧波間 特等座267.5元(約5030円) 1等座237元 2等座144元
寧波-杭州東間 特等座135.5元(葯2510円) 1等座120元 2等座71元
で特等座と1等座は1割少々しか違わないので往復とも特等座にした。
今までの駅の裏に新築された寧波駅。
最近建てられた高速鉄道の駅は巨大で空港の様な感じだが、
アクセスの悪さも空港並みで往路に乗車した上海虹橋駅は
上海駅から地下鉄を乗り継いで1時間以上かかり、
上海火車駅5:49発の初電に乗っても広い駅構内を走って、
虹橋駅7:08発の列車にギリギリ乗ることが出来た状況であった。
寧波駅の方は旧駅の裏手に建てられたが、工事中の為にかって駅があった側には出られず
徒歩で街中に出るのは困難であった。
新しい高速鉄道の駅はホームを跨ぐ様に建てられ、各ホームに降りるエスカレータの前に
改札口があって、空港の搭乗口の様に列車ごとの改札となっていて
おおむね発車15分前から改札が始まる。
以前は形だけだった自動改札機だが、全面的に活用されるようになったが、
地域外で発券した切符でエラーが多いようで係員が大変そうだった。
ボンバルディアの新型 Zefiro380をベースとしたCRH380D。
近くで見ると先頭部の傾斜が、かなり緩やかに見える。
基本編成は8両で、乗車した列車は2編成併結の16両編成で運転されていた。
ずらりと各種CRHが並んでいた上海虹橋駅。
早朝なので少数派である寝台車のCRH1Eが多く見られた。
中央がCRH380Dで、左はZefiroベースのCRH1Eで、右はReginaベースのCRH1A。
ボンバルディアの中で
スウェーデンの流れを汲むシリーズをベースとした3車種が並んだ。
先頭車の乗降扉は車体中央より前寄りに1カ所のみで、乗務員扉も無い。
発車前、客室乗務員がホームを確認。
扉に開閉ボタンが用意されているが、
乗務員がデッキにある操作盤で全ての扉を開閉操作していた。
1号車のデッキ、扉脇にある折畳み椅子は客室乗務員用で、
停車中や車内を廻っている時以外はほぼ常駐していた。
デッキより運転室寄りの花のイラストが入った白ガラスの扉のある側が特等座。
2+1配列の2列で計6席の空間で、逆側の運転席後ろも特等座になっている。
座席番号は2席側の窓側がA、通路側がC、1席側がFと航空機方式。
特等座は両端の運転室後ろに設けられているが、
仕切は擦りガラスで前面展望は眺められない。
窓上の荷棚が無いので前席では運転室との仕切にある棚に荷物が置かれていた。
後ろになる時は座席が回転され、デッキの方を向く。
充分なシートピッチがありCRH3の特等座よりゆったりとして
料金差の価値はある。
肘掛けに折り畳みテーブルが内蔵されている他、
壁際もテーブル状の張り出しがある。
背もたれをを目いっぱい倒した状態。
荷棚は無いが、座席後ろの床に荷物を置けるスペースはある。
座席を回転させる際の都合だろうか、
運転室寄りの1番席は脇の天板が窪んでいて、その下はマガジンラックがある。
2番席は前向きにした状態の肘掛け前端辺りで壁際のテーブルが無くなり
前席背面にあるので、壁際のマガジンラックは無い。
尚、1席側にも2つ分のドリンクホルダが用意されている。
後ろ向き状態の2番席は、荷物を置くスペースを確保する為だろうか、
背もたれの横までしかテーブルが無く、利用できるマガジンラックが無い。
座席後ろの下部にフットレストがある。
JRのグリーン車にある様なタイプで裏面は座席と同じモケット張りになっている。
座席の台座部分にPC電源用コンセントがあり、
各種プラグに対応出来る様になっていた。
1人掛けのF席はサイドにコンセントが付いている。
肘掛け内側にあるオーディオコントロールパネルとイヤホンジャック。
放送が流れているか確認していないが、チャンネル表示は点灯していた。
窓上、間接照明の張り出しにLEDの読書灯が用意され、その脇にスイッチがある。
2列しかないのに、等間隔に4つの読書灯が並んでいる。
運転室側の仕切上部の中央部分が表示器になっていて
号車表示や速度、気温が表示されていた。
デッキ側の仕切上部も似た様なデザインだったが、往復とも何も表示されず、
表示器は入っていない様だ。
脇には液晶モニターが設置されているが、何も映らず使われていない様子。
仕切扉は押しボタン式、
表示器を見ていると、列車には天能電池号という愛称が付けられている様で、
所々に天能電池の広告が入っており、
他の多くの高速列車も天能電池号となっている様だった。
デッキで携帯電話を使うマナーの良い乗客がいたが、
ガラス製の仕切を越える大声がうるさかった。
復路では特等座の隣席で大声で通話していた。
1号車のデッキ後方は両脇が機器スペースの様で長い通路がある。
通路の壁に給湯器が埋め込まれている。
通路の奥にも仕切扉があり、通路は個室状態となっている。
1号車の後方にある1等座、
座席としては特等座の2人掛け側と同じ様。
特等座と同様、前席後ろにはフットレストが用意されていが、
窓上に荷棚があり、読書灯は無い。
シートの間隔と窓割りのピッチは合っていない。
特等座もそうだったが、仕切にはフットレストは無く足元が広めになる様になっていた。
1等座客室後方も機器スペースで長い通路になっていて、
ゴミ箱や消火器が設置され、荷物置き場もあった。
中間車は両端に乗降扉がある。
連結部分は幅が広く、通路にはカーペットが敷かれている。
化粧室はデッキから客室寄りにあり、幅を広くとっている影響で
通路がオフセットしていて、向かい側は機器スペースとなっている。
トイレと洗面台が横に並ぶレイアウト。
トイレは様式で便座カバーが用意されていた。
手洗い台の蛇口はセンサー式。
シェーバー用コンセントの前に液体せっけんのボトル、
その上に手拭き紙があるが、詰め込まれた感じで使い難い。
2等座は3+2配列、3人掛けのベース部分にはPC電源用コンセントがあり、
一番後ろの2人掛けの座席下にはホウキと塵取りが置かれていた。
4号車は半室食堂車となっていて、
3号車側から行くと厨房裏の部分になる。
この部分にもスタンドテーブルや折畳みテーブルがあり、スペースが有効利用されている。
窓部分に手摺がある通路を抜けるとカウンタがあり、
上に販売されている物が並べられている。
カウンタの前にテーブル席4つある。
混雑する時期には座席扱いにされる様で、
10~12A・C/10~13D・Fと座席番号が付けられていた。
カウンタの向かいとなるテーブルは、片側にだけ椅子がある2人席。
相変わらず乗務員の拠点となっている様で
荷棚にはお揃いのトランクが並んでいた。
テーブル席の後ろは普通の2等座で、
仕切は背もたれ上の擦りガラスだけ。
朝の時間だった往路、
食堂車のカウンタ上にはお菓子や果物しかなかったので、
食べる物が無いか聞いたら、揚州包子があった。
4個入り10元で温めてくれた。
帰りは昼時だが、1時間の乗車で食堂車もあまり期待できないので、
駅に入っていた中華ファーストフード店で
定食をテイクアウトで買って、持ち込んだ。
車窓から見た高速鉄道。
E2をベースとしたCRH2は中国各地で見られる車両になり
昔の日本の485系の様な存在になったと感じがする。
この高架群は全て鉄道。
大都市の近郊には別の地域を結ぶ高速鉄道や在来線の分岐点がある。