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'05-3 チュニジア
レ・ザー・ルージュ
Le Lezard Louge
メトラウイ Metlaoui - セルジャSeldja - メトラウイ Metlaoui
レ・ザー・ルージュ、日本語で「赤トカゲ」
チュニジア内陸部を走る観光列車である。
その始発駅メトラウイまで国鉄の旅客列車も運転されているが
夜遅く着いて朝早い時間に折り返す昼行列車と座席車だけの夜行列車の2往復しかなく不便だった。
そこで、チュニスの旅行会社を通して4WD車を2日間チャーターして
穴居住宅があるマトマタ、サハラ砂漠の玄関ドゥーズ、塩の湖ショット・エル・ジェリド、オアシスの街トズールと
列車では行けない見どころを巡りながらメトラウイへ向かい、この観光列車の後も古都ケロアンに寄りながら
鉄道の便が良いスースのホテルまで送って貰う様にした。
レトロな6両編成の客車をD型のディーゼル機関車が牽引する。
料金はTUD20(約1700円)
私は1人US$18で旅行会社を通して手配。
旅行会社へFAXされたバウチャーを駅のオフィスでこのチケットに換えた。
編成両端の客車は片方の車端に高い出っ張りがあり、窓が少なく
カブース(車掌車)を改造した車両と思われる。
写真は往路最後尾の車両。
トンネル内走行中に撮影した車内。
はめ込みの窓ガラスを中心に木製の座席がゆったりと並べられている。
貨物扉はそのまま残され、その部分は何も無い広いスペースが出来ている。
車掌席は出窓から編成が見られる様に座面で1.5m位高くなっている。
車掌席からの眺め、日差しが強く暑そうだった。
往路、前から2両目となる客車。
中央部と両端それぞれ窓配置が異なっている。
前部分は背もたれの低い布張りの椅子が並ぶ開放席。
往路は10名程度の日本人団体も乗車していた。
それより先は片通路になっている。
天井はアーチ状で折り畳み椅子もある。
車両中央はトイレ。
片通路部分なので奥行きがあり、奥に洗面台がある。
その奥はコンパートメント。
編成中2室しか無い。
背もたれが高くクッションの厚い座席で木目が生きた豪華内装だが、一応4人掛け向かい合わせの8人室の様である。
食堂車らしい外観の3両目。
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この車両はカフェカー、
両壁に大きめの折り畳み椅子が並び奥にカウンターがある。
カウンター、食事類は無く、飲み物と菓子類の販売で営業していた。
飲み物はボーイが各車両へ注文をとりにも来る。
カウンターの向かいにも折り畳み椅子があった。
窓が大きめの4両目。
この車両は大きなソファが配置されたラウンジカー。
この車両も中央から半分づつに分けられていて
反対側は独立型の椅子が並んでいた。
中央部にある車掌か係員用の小部屋、
片側にテーブルがあり、その奥に仕切棚が並んでいる。
同じく車体中央部にあるトイレ。
こっちは更に広く、便器にも絵が描かれている。
更にビデまであった。
5両目、外観は2両目と似ている。
こちらは個室やトイレなどが撤去され、1両丸ごとオープン席になっている。
窓が途中で違っているのが元の名残り。
客車は全てオープンデッキ。
ここからの方が、より景色を楽しめる。
10:00、引き込み線が沢山あるメトラウィ駅を後にする。
駅を出てしばらくすると。周囲は荒涼として開けた場所になる。
往路は途中2カ所のビューポイントで少しの間列車が停車する。
1カ所目は出発して30分後、正面に渓谷が見える場所。
この辺りはごつごつした岩が多い。
段々と山らしい景色に変わっていく。
それから列車は川沿いを走るようになる。
向かいの岸は大きく削られ高く垂直な崖になっていた。
10:50、2回目の観光停車はその絶壁に囲われた場所。
鉄橋、トンネルが多く山川を縫うように線路が続く。
11:00,急に河岸の開けたところ出て、貨車が停まっているヤードがある。
ここがこの列車の折り返し地点セルジャ。
ここで機関車が反対側に付け替えられた。
2両目にいた日本人団体を含む全体の1/4程度のグループ客がここで下車しバスに乗り換え、
車内は少し空いた。
車端のデッキから連結作業を見る。
連結器はターンバックル式。
最後尾のデッキは展望室。
正午近くにメトラウイに戻る。
辺りに民家が見え始めたあたりから子供達が沿線に現れ、みんな列車が好きなんだと思ったら、
”金を投げて”と手を出し列車を追い掛けて来た。
あまり貧困という感じは無いし、出発時は居なかったので昼休みの小遣い稼ぎで、
ここではこれが日常化しているような感じだった。
そしてコインをばらまく乗客も結構いて、悲しい気持ちになった。
こういう事に反発してだろうか「あっかんベェ〜」をして列車に石を投げた少女も見かけた。
遊覧船屋フェリーからかもめにスナック菓子をやるのとは違うと思う。
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