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MOTAT保存電車

MOTAT

Museum Of Transportation And Technology Of N.Z.
(オークランド)



MOTAT I の前と動物園間数百メートルを結ぶトラム。
この日はオーストラリア・メルボルンのW2Class No.321号が走っていた。
軌間の違う電車を走らせられるように、運転線は3線軌道になっていた。
この電車は標準軌1435mm。


乗降口は中央に片側3箇所集中、ドアなしだが雨よけの幌が掛けられていた。


向かい合わせになった木張りの椅子が並ぶ中央部。
2名の車掌が乗務し、切符の販売や折り返し時のポール転換を行っていた。


両端部はクロス張りロングシート、中央部とはドアで仕切りられている。


運転室は完全に仕切られていて前後に乗客が乗降するドアは無い。
吊革の並びと平行に垂れている紐は、降車の意思を運転手に伝える手段で
降車ボタンのようなもの。


運転席、コントローラーはGE製。


MOTAT I 内に2箇所ある市電電車庫のひとつ。
この横、写真左側の部分はオークランド市電の歴史や
復元車両の現役時代を紹介する展示室になっていた。


車庫の奥では古い電車の復元作業中。
訪問日は日曜日で作業している人の多くはボランティアだと思われる。


車庫内を見ていると、作業していた人が車庫内にある車両や展示室の写真について説明してくれ、
さらに車庫の扉を開け11号電車を外に出してくれた。


この電車は1902年英国製、オークランドの市電で
残されている中では最も古いニュージーランドの路面電車。
この車両を含みオークランド市電は標準軌である。


乗降口は前後で完全オープン。運転席との仕切りも無い。


車内は片側ずつ転換クロスシートとロングシートにわかれていた。
座席はどちらも板張りで、屋根はダブルルーフ。
写真を撮った後、車庫に戻すとき乗せて頂いた。
ほんの十数メートルだが、パンフレットに”used for Special Events”と書かている
電車に乗車出来たのは大変嬉しかった。


車内の電球。現役当時の手作りの物で、下にガラスの吹き口の跡がある。


更に床下を開け、内側から台車を見せてくれた。


同じ車庫に入っていたスチームトラム100号。
2つの動輪を持つ標準軌の機関車。


1891年アメリカ・フィラデルフィア製、最初はオーストラリアのシドニーに導入され、
その後、ニュージーランド北島西岸の街ワンガヌイに移って活躍していた車両。
動態保存機で年に数回動くとパンフレットに書いてあった。


前に煙室、後ろに炊き口があるが、両側に大きなヘッドライトが付いていて
どちら向きでも普通に走れるようだ。


逆転機、加減弁など操作する機器は室内にある。
ボイラ−のまわりは水タンクで覆われているようだ。


もうひとつの車庫にあった1921年製ウエリントン市電135号、軌間は1219mm。


1911年製ウエリントン市電301号貨物電車。
車庫の外に出ていたが自力走行はできなさそうな状態だった。


1938年製248号、オークランド市電最後の形式、動態保存され動物園線で動くことも多い様だ。
こちらの車庫の奥でも大規模な復元工事が行われていた。


車庫とは別の展示館裏に停められていた1950年製ウエリントン市電257号。
こちらも動態保存され動く機会も多いらしい。これらの他にも数多くの電車が保存されている。
他に古い自動車や消防車を修理・復元作業を行っている車庫があったが
みんな親切で詳しく説明してくれた。


MOTAT I には市電以外に2台の蒸気機関車と1台のディーゼル機関車が静態で屋外展示されていた。



MOTAT Uには鉄道の保存・修理・復元を行っている機関庫と動態保存の蒸機を走らせる運転線がある。
訪問した日はこの鉄道部門は閉まっていたが、飛行機の展示館を見ていると係員に声を掛けられ
飛行機や軍事車両を復元しているところを見学するツアーに誘われ、彼のガイドで案内してもらった。
修理庫は幾つもあったが、どこも復元中の物や部品でぎっしり。
飛行機は残されている部品が少なく、外板は板金から製作している部分も多い。
冬季という事もあり、休日でも見学者は少ないようだがボランティアの人は多く見掛けた。
彼らは1/1の模型を楽しむ感覚で、お気に入りの機械を復元・修理して動かす事が出来、
博物館は復元作業により展示品が増え、それらが動く姿も見学者に見せられる。
こういうのが博物館の理想的な姿だと感じた。


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