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2019-4 旧ユーゴスラビアの国々


 Waldviertelbahn
ヴァルトフィアテル狭軌鉄道

Schnitzelexpress
Gmünd10:00発-Litschau10:55着
Litschau13:00発-Alt Nagelberg13:25着
Alt Nagelberg16:32発-Gmünd16:55着



ÖBBの駅を出るとすぐにWaldviertelbahnの駅が見えた。


写真、右がÖBB、左がWaldviertelbahnの駅で道を挟んで向かいに建っている。


WaldviertelbahnはGmündから南へGroß Gerungsまで行く43kmの路線と、北へLitschauまで行く25kmの路線、北への途中Alt NagelbergからHeidenreichsteinまで13kmの支線がある。
2001年に定期運転が終了し、現在は観光鉄道として夏季のみ地方公共交通機関NÖVOGにより運行されている。


看板には路線の概要の他、列車の種類まで記されていた。


様々なイベント列車も企画されていて、この日はSchnitzelexpressとして蒸気機関車牽引列車が運転される日だった。


駅で購入したチケット、レシート状2次元コード付き、運賃はディーゼル/蒸機と片道/往復で分けられていてイベント列車の日であったが、通常の蒸機列車料金で大人1名の往復で27EUR。


路線図的には途中駅に見えるが、端頭式の駅で3線のうち2線は全体が屋根に覆われている。
手前のVT13気動車の奥には貨車1両と客車3両が停められていた。


Gmünd9:00発のGroß Gerungs行きという列車があったので、駅の先で撮影。
線路側から見ると駅は車庫の様な外観になっている。


気動車は元ÖBB5090形、両運転台2扉車で車体長約18mのトイレ無し車両でVT8とVT11、VT13の3両が在籍している。


駅の奥にも1線あり、客車が停まっていた。Bi/s909、2等オープンデッキ式の2軸客車。


後ろのBi/s912はWaldviertelbahnと大きく書かれていた。


先の方に建つ車庫の車両を見に裏手にまわった。
黄色い保線車両と2軸の貨車が手前に停まっていた。


間もなく、蒸気機関車が姿を現した。
赤いディーゼル機関車は2095型007で台車が外された状態だった。


奥の屋根の下に見えるディーゼル機関車も同形であるがV12というナンバーが付けられていた。


車庫的な建物の脇でホームだけに屋根がある線が蒸機列車のホームで、給水塔が近代的だった。


来た時から停まっていた客車に蒸気機関車が連結された。


駅の横にはスノープラウや動輪が展示されている。
ホーム長に余裕はあり、シーズン中は更に増結さる様である。
案内板には定員150~200と書かれていて1両30人前後なのでもう2両は牽引出来そう。


乗り場に行くと、最後尾は荷物車で非貫通で出窓だけの平面になっていた。


乗車できる一番後ろの5両目に乗車し定刻10時にGmünd駅を出発。


黄色い保線車両は0B1というナンバーが付いていた。


ディーゼル機関車はV12という番号の上にSGPという製造メーカーのエンブレムが付いていた。


この日は客車6両編成で1両目はBi/s911、定員28。


復路は半分が予約席の紙が貼られていた。


復路は最後尾でオープンデッキになる。


車内はクロスシート向かい合わせの4人ボックス配置。


片隅1ボックス分のスペースにトイレがある。


トイレは洋式で手洗台無し、扉のフックに予備のトイレットペーパーがあった。


摺りガラスで大きな窓が付いている。


2両目、Bi/s901、定員は8名と記されていた。


端部が丸屋根で上部にヒサシ付きの小窓があり最も古風な客車だった。


下隅にJausenstüberl(スナックバー)と書かれている。


デッキ部の屋根下も木板になっている。


窓2つ分の片側に販売用カウンタがある。
カウンターの側面と天井は木板張になっている。


カウンタの向かいは広めな通路となっている。
窓は上部が内側へ斜めに、下段は下方にスライドして開く。


車内の半分程は壁を背にした椅子があり、その前に大型のテーブルがある。


座席は車端部がL字に折れた形になっていて、片側4人掛けで8人座る事が出来る。


各客車の車内に販売品の内容が書かれたたスナックバー車両の宣伝が貼られていた。


Schmalzbrot(ラードパン)とSchremserビールを購入。


3両目、Bi/s907、定員32。


復路は全部の窓に予約席の張り紙が貼られていた。


両側ともすべての窓が透明でトイレは無い。


木版張りの椅子でボックス間に大きなテーブルがあった。


天井に照明が無く、荷棚も無い。


貫通扉にある戸窓の保護棒が1本だけなのもこの車両だけだった。


4両目、Bi/s9 定員32。


側面に大きくWaldviertelbahnと書かれていた。


この車両もトイレ無し、1ボックス4人掛けなので定員からでもトイレの有無がわかる。


窓は1枚物の降下窓で位置調整用のベルト付き。
隅の1ボックスは優先席を示す注意書きが窓下に貼られていた。


5両目、Bi/s9定員28。


バッテリーの都合だろうか片面だけ中央部の裾が切り取られた形になっていた。


片隅がトイレで白い窓になっている。


荷棚は座席上にあり客室端は仕切に付いている。


窓は2段式で上部のみ降下する。


片隅1ボックス分のスペースがトイレになっているので定員が28名となっている。


通路側に肘掛けは無いが、窓側は壁に肘掛が張りだしている。


6両目、Di/s6505、荷物車なので定員の表記は無い。


扉は荷物用の大きな引戸のみ。


片側は車掌室で出窓が張り出している。


隣の車両から戸窓越しに車内が見えた。
自転車吊り用のフックが天井から下がっていて、案内板では15~30台の自転車が搭載可能と書かれていたので、1両あたり15台搭載可能と思われる。


後方の客車から機関車を眺めるのが蒸機列車の醍醐味。


この路線はチェコとの国境際を走るが、出発して間もなく踏切のすぐ先に国境ゲートが建っている。


後方の車両を選んだのは、見通しの良いカーブで機関車の側面が見えやすいため。


25分少々で待避線のある大きな駅に到着。


Alt Nagelberg駅。


給水設備がある。


テンダーの縁から給水。


前面には大きなヘッドライトが付いている。


牽引機はMh.4 元ÖBB 399.04。


水が溢れるまで給水される。


出発後しばらくはHeidenreichstein方面への支線と平行する。


窓ガラスに機関車と煙が映っていた。


桜が咲いていた。


花冷えの肌寒い1日だった。


Sカーブの先に三角屋根の丸い塔が見えた。


線路が分岐して終点Litschauに到着、時刻表よりは数分遅れていた。


隣には別の客車がホームに横付けされているが、乗って来た列車のホームは線路と同じ高さ。


間もなく機関車が切り離らされる。


機回しなので、客車の反対側に回って撮影。


ポイントのすぐ先で停車して折り返す。


ドレーンを出しながら前進。


機関車と連結。


隣の線路上には線路が立てられていた。


テンダー側にも3つのヘッドライトが付いている。


後ろ向きの風防と窓はテンダー側にある。


1906年クラウス/リンツ製。


左サイドはキャブの前に円筒形のタンクが付きランボードが下がっていた。


3日前のに訪問したセルビアのシャルガンスカ8も軌間760mmメーカも軸配置も違うがサイズ感は同じだった。


乗降部はスライドリンクで上昇する柵が付いている。


連結部、左右にあるターンバックルで締められ、中央のバッファー部にもピン式のリンクが入っている。


最後尾、貫通路の柵は、連結時片側を連結相手ヒンジと付け替えて渡り板部分の柵となる。


隣のホームに停まっていた2両の荷物車。


反対側へ回るとMUSEUMSWAGGONと看板があり鉄道資料館になっていた。


容易にアクセスできる様に、ホームに張り出しと柵が設けられていた。


どちらも中央に長テーブルがあり、片方は車両関係、もう片方が設備関係や携行品が展示されていた。


壁にも展示品やパネルが並べられている。


出窓を車内側から見られるのも貴重である。


出発時刻まで動きは無さそうなのでリッチャウの街を散策する。


まずは教会が建つ街の中心部へ向かう。


駅前を少し歩いたところにバスターミナルがあった。


中心街は道路が左右に分かれ、中央に教会と公園がある。


教会の周りを歩き振り返ると、社内からも見えた塔が見えた。


塔はお城Litschau Schlossだった。


道端にあった看板を見ると周辺を歩く事が出来そうだった。。


しかし途中の道が木で覆われていて断念。
後で調べると個人所有で一般公開はされていない様だ。


城の手前に湖同士を結ぶ川がある。


その川に掛かる橋には、1体づつだがカレル橋の様に欄干に像が立っていた。


離れて見た方が城らしさを感じる。


南側の湖Schönauer Teich側から見たお城と橋。


1つ手前の踏切から見たLitschau駅。


機回しを終えた列車の横に白いテントが建っていた。


そのテントでは料理が作られ、これが本日の列車「Schnitzelexpress」の主役、シュニッツェルだった。


駅の軒下ではビールが販売されていた。


Schnitzelexpressのツアーで申し込んだ人専用の催しかと思っていたが、誰でも買うことが出来るという事で、私も購入して食べた。どちらか忘れたがメニューには豚肉と七面鳥2種類のシュニッツェルがあり、どちらも8.5EUR(約1,120円)、ビールは500mlで3.2EUR(約420円)。


着席できる点ともあったが、軒下のスタンドテーブルで機関車を実ながら食事した。


街か鉄道の関係者が集まって集合写真の撮影が行われていた。


そのしばらく後、声を掛けられ写真を撮っていただいた。


折り返しの列車は定刻の13:00にLitschauを出発。


車掌に聞くと途中下車して良さそうだったので往路に給水が行われたアルト・ナーデルベルクAlt Nagelbergで途中下車。


時刻表によると7分停車する様なので、駅から離れ歩く。
反対側では給水作業が行われていた。


駅のすぐ先にある踏切を渡る。


その先、駅の反対側はガラス製モニュメントが並ぶ芸術庭園になっていた。


少し戻り踏切に近付いたところで、発車を撮影。


復路は後が展望デッキになる。


ガラス公園はAndreas Apfelthalerという施設でガラス博物館もあった。


通りを挟んだ向かいにも巨大グラスの展示やガラス吹きの看板があって、ガラス工芸の街の様だ。


踏切の方を見ると駅の方で光る物が見え、別の列車が到着していた。


1時間ほどでGmündで折り返した2本目の列車が来る。


まずは先程の踏切で撮影。


停車駅の手前になるが白煙が見えていた。


通過後、振り返ると交換駅という雰囲気。


今回も7分の停車時間があるので、駅の先の方へ撮影できる場所を探しながら急ぎ足で歩く。


小さなディーゼル機関車が機回しされていた。


駅より先にある踏切まで行くと、そこは小駅の様になっていた。


Alt Nagelbergを発車した列車がきれいな煙を上げてやってきた。


Heidenreichstein方面への支線と平行していて複線の様になっている。


この先も並走区間が続いていた。


蒸機列車が出発した後、小さなディーゼル列車の動きを気にしながら駅の方に歩く。


LitschauからAlt Nagelbergの間で他の列車を見掛けていなかったのでHeidenreichsteinとの間の支線を走って来たと思われる。


ガラス庭園越しに見た小列車。


桜は本物。


すぐに動きそうな感じではなかったので、駅に戻って来た。


客車2両、貨車2両の混合編成。


DH120という番号が付いたディーゼル機関車。


キャブ下の斜めが独特なデザイン。


前面、小顔ながらヘッドライトが3つ付いている。


離れて見ると機関車の断面の小ささが際立つ。


後ろ側にも下の方に金網が取り付けられ、閉まった顔になっている。


連結は客車のバッファに差し込むピン式リンクのみ。


ボンネットの扉は外されていて右側はエアクリーナが2つ並び、上にはマフラーが見える。


左側はエンジンや噴射ポンプが見えた。


エンジンにはMOTORPAL、MADE IN チェコスロバキアのプレートが付いていた。


エンジンは1981年製、出力97kW。


編成で見ると機関車の小ささを強く感じる。


機関車の後ろの客車はBi/s3889、スナックバー車両で定員は4名。


側面にはWackelstein Express Waldverter Jausenwagerlwackと書かれた大きなプレートが掲げられていた。Wackelstein ExpressはHeidenreichstein-Alt Nagelberg間の愛称である。


2両目の客車、Bi/s3890 トイレ付の2等客車。
こちら側だけAichtraucher”非喫煙者?”と書かれた逆三角形のプレートが付いていた。


2両とも2段窓の客車だった。


3両目はDi/s6493荷物車、貨車の様に見えるが両端にデッキがあり貫通扉も付いている。


片端が車掌室になっていて窓がある。
両側面にHeidenreichstein - Alt Nagelbergのサボが取り付けられていた。


4両目 Gw/s10007、両端にデッキがあるが扉は無く、隣の車両との行き来も出来ない。


通風か、明り取りなのか上の方に小窓が付いている。


編成後から見ると機関車はほぼ見えなくなる。


時刻表ではAlt Nagelberg-Heidenreichstein間のWackelstein Expressは6月13日~9月1日の土・日・水曜日に運行となっていたので貸切列車と思われる。


帰りに乗車する蒸機列車の時刻が近付いて来るとWackelstein Expressの方も出発しそうな雰囲気になってきた。


帰りの列車は定刻より5分程遅れてAlt Nagelberg駅に到着。


テンダーにも窓はあるが、両側から顔を出して前方確認していた。


蒸機列車と小型ディーゼル列車の交換。


到着が遅れていて、蒸機機関車はグミュンドに戻るだけになるので、すぐ発車するかもしれないと思い客車の方へ急ぐ。


やはり、給水を行わず定刻に動き出した。


Heidenreichstein行きもほぼ同時に出発。


反対方向へ進んで行った。


この列車は空いていたが、長い間最後尾の展望デッキに居た。


まさに展望デッキ、電柱なども無く壮観。


カーブでは前方を見る。


国境ゲートを見ると間もなく終点。


南のGroß Gerungs方面への路線と合流すると、DMUが追走してきた。


時刻表を見るとGmündに同時刻着のGroß Gerungs始発の列車があった。


Gmündの直前でDMUが減速、そういえば屋根付きの到着ホームは反対側にある。
朝、出発を撮ったV8とは別のV13だった。


Gmünd駅に定刻に到着。


駅を出て反対側に回った。駅の屋根で覆われたホームとの間にはガラス製の仕切壁がある。


間もなく、編成そのまま逆方向に動き出した。


推進運転で客車を引き上げる。


客車を切り離しバックしてポイントを切替。


隣の線を進み客車の影で見えなくなるまで見送った。



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