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2013-7 インドネシア

タジクマドウ製糖工場
Tasik Madu sugar factory
蒸気機関車撮影


ソロ・シティのホテルを出て40分、ヤード脇に到着し車を降りると、
一番道路寄りの線路からちょうど機関車が発車するところだった。


最初には間に合わなかったが、連結が外れるなどのトラブルが元の位置からやり直し。


最初に見たのはTM(タジクマドゥ)6号、ここを訪問したお目当ての機関車。


4つの動輪を持ち全体的なバランス的に国鉄9600形が連想される外観。


テンダーはボイラー以上の長さがあった。


ドイツOrenstein & Koppel社 1929年製。


計器やバルブ類が少なくシンプルなキャブ内、運転席は右側。


テンダーは屋根付きで、必要以上に思われるほどの薪が積まれている。


この機関車でも人が乗って砂を撒く。


列車は一旦外に出る。


間もなくして、もう1台の機関車が出て来た。


意外にも6号と同じドイツOrenstein & Koppel社の 1921年製、TM5号。


動輪4軸でタンク機にテンダーを連結したスタイル。


メインの積車入換はこの2機が担当していた。


異色コンビ。


2人と1機、息を合わせて。


ゲートをくぐり施設外へ、子供達が機関車を見に来ていた。


後ろの樹で白煙がよく見えた。


軌間は750mm、
これでもインドネシアの製糖工場の中では広い。


写真左側の奥にある積替えヤードから、右側の工場ヤードに運ぶのが
機関車の仕事。


棒を使って砂を線路に寄せる技もある。


入換の引き込みだけの僅かな距離であるが、
工場の外には様々な光景がある。






最後尾がスイッチバックするポイントを超えたところで
列車は停まり、そのまま後退。


工場前のヤードにさとうきび満載のローリーを押し込む。


工場の搬入口、
直接入っているトラックも見えるが、処理能力の関係で
並ぶ時間が掛かっていそうだ。


ところで、サトウキビは他の製糖工場同様にトラックで持ち込まれ、
クレーンで積み替えられる。


今まで訪問した所ではクレーンは基本的に吊り上げて下ろすだけで、
下でトラックがローリーに入れ替わる形だったのだが、
ここはトラックと鉄道のレーンが別になっていて、
ここでは吊り上げた束を横移動させ、隣のレーンのローリに積み込む。


ガイドが設けられている中央が積み込みで、
その両側が引き上げ用でクレーンが2基あり効率的に積み込める。


積み込まれたローリーは、空車になったトラックがチェーンで引き出す事が多い。



積車がある程度貯まるとトラクタが横気味に牽き、


その前の貨車ごと移動させ、


蒸気機関車が先頭の編成に連結。


更にもう1台動いていたのはTM3号。


動輪が2軸ずつで間隔が空いているD型タンク機のテンダー付。


同じくOrenstein & Koppel社の1913年製。


ローリーを引き出すのが3番の仕事。


空車を牽いて工場前を出発。


空車だが牽ける限りの両数を連結するので砂撒きは必要。


そして編成は非常に長い。


最後尾がポイントを超えなければならないので、かなり先まで進む。


空車が止まる辺りはカーブになっていた。


引き出された空ローリーは反対側がらトラクタが積み替えヤードまで引っ張る。


機関車はその後単機で戻る。


工場ヤードの奥の方に平面クロスで横切りまくる線路があった。


その奥は遊園地になっていてトロッコ客車の姿が所々に見られた。


廃園という感じでもなかったが、土曜日なのに人影が無く、
動きどころか動力車の姿が見られなかった。


手漕ぎトロッコもあった。


展示されている機関車も多い。
C型タンク機10号。


形だけになってしまった感じの7号。


スチームトラム形をしたオランダ ブレダ社1889年製の9号。


2軸でホイルベースが一杯まで確保されている。


紋章が付いた貴賓車らしい客車。


ローリーも一緒に展示されていた。


この施設内でペンションの看板となっていたキャブ無しのボイラー。


工場機械の部品もオブジェの様に展示されていた。


駅の様に美しい工場の正面側。


距離が離れているがヤードへ向かう道路の分岐点にも
機関車が置かれていた。


機関区はヤードの隣に位置する。


機関庫の前に出されていたTM1号。


Orenstein & Koppel社 1921年製。
C型タンク機で連結されたテンダーには屋根が無く、
白い帯とロゴが入っていた。


同じく外に出ていたTM14号、
火は入ってなかったが午前と午後で場所が移動していた。


オランダLocomotiev Fabriek Du Croo & Brauns1923年製のD型。


機関庫の中には、外で働いていたのとは別の5号があった。


Orenstein & Koppel社製で空車を引き出していた3号に似た形。


部品を取られ放置された感じD型タンク機7号。


Henschel & Sohn1917年製。
ナンバーは数字だった。


他に2台分のボイラーが庫内にあった。


動いているのは1台も見なかったが、ディーゼル機関車もある。


TM.D.1号、後ろ側は鉄格子状になっていた。


SCOEMA社製 D3号。


枕木に載せられ足回りが無い状態だった
Christoph Schotter製4号。


Orenstein & Koppel製 D5号。


同じく後ろ側にガードが付いている。


D14号は形をとどめた状態であったが、
重整備中の機関車で前後をブロックされていた。


エンジンが下ろされていたD15号はD14号と同形の様だ。


綺麗な木製のボギー客車もあった。


機関庫の向かいにある小屋には
ベルト式の工作機械設備があった。


その建物内にもSCOEMA製DLとトロッコ客車があった。


機関庫と建物の間で屋外放置状態で草に包まれつつある1号。
ここは番号が重複する機関車が多い。


夕方になって、施設外の引き込み線で脱線が発生。


線路と路面がほとんどと同じ高さの場所だったのでトラクタで
無理やり引っ張って戻された。


こんな事をするから余計に線路が傷んだ様だ。


ここは重要なポイント、
間のヤードに入れなくなってしまう。


すぐ脇を機関車が通り抜ける中、保線作業が続く。


その後の路盤修正も、全て手作業で行われていた。


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