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2013-4 中欧とウクライナ

国際夜行
Tisza

ブダペスト発-モスクワ行き
G16/S16
Budapest Keleti 18:40発−Lviv10:32着

チケットはDBの日本代理店となっているヨーロッパ鉄道チケットセンターに依頼し購入。
寝台車の2人利用は1等扱いになり、寝台券と1等乗車券あわせ2人で30,200円
寝台券2人分とハンガリー国内、国境Zahonyからウクライナ国内分の乗車券1人1枚の
5枚で行き先のリビウはドイツ語名で"Lvov"と書かれていた。


出発時刻の50分前にブダペスト・ケレティ(東)駅に戻ったが、
ホームには既に客車が止まっていた。


最初に止まっていた時、客車は4両で
一番後ろは青い車体で黄色い帯が入った客車。


同じ客車を反対側ホームから撮った写真。
前側の屋目上にクーラーの様な突起があり、
扉脇に寝台車扱いを示す表示器が付いていて比較的新しそうな感じ。
最後尾の客車は車止めのバッファに当てられた位置で停められていた。


後から2両目もWLABmの寝台客車であるが、
クーラー的な屋根上の突起や、寝台表示器が無い
古そうな車両で、向きも180°変わっている。


黄帯の下にあるUZはウクライナ鉄道を意味し、
その下のWLABmはWL:寝台客車、A:1等、B:2等、m:車体長24.5m以上
という記号の組み合わせで、最高速度は140km/h。


その前、後から3両目が、乗車する438号車は深緑色の客車だった。


こちら側が客室側、
窓上には寝台車を意味する言葉が各国語で書かれているが、
国際寝台会社ワゴン・リ社の"WAGON LITS"という表記もあった。


RZD ロシア鉄道の WLABm 1/2等寝台車、
最高速度は160km/h。


その前も同じくRDZ WLABm。
最初に見た時は、これら4両がホームに停まっていた。


また、後の車両と向きが変わり、こちら側が通路側で
一つおきの窓の上部だけ開く様になっている。


寝台車に乗り、荷物を置いてもう一度降りると
灰色に赤いラインが入った1両が前側に追加されていた。
塗色は違うが同じくRDZのWLABmで、新塗装と思われる。


反対側ホームから見た通路側。
車両の片端にはキリル文字をデザインしたと思われるロゴが描かれている。


更にその後3両の客車が追加、
いずれもハンガリー旅客鉄道MAV-STARTの客車で
後ろ1両が1等車。


Apmz オープンタイプの1等座席車。
これら3両の座席車はハンガリー側の国境駅Zahonyで切り離される。


その前2両は2等車で、どちらもオープンタイプのBpm。


ブタペスト出発時点で先頭となる2等客車。
乗降扉はプラグタイプで、扉が開くと下段のステップも開かれる。
これらハンガリー客車3両の最高速度は160km/h


2等座席車2両、1等座席車1両、寝台車5両の客車7両編成。
牽引する機関車はMAVで現時点最新の480型1号機。


1号機という事でだろうか、側面には古典的な電気機関車の
写真やイラストなどボンバルディアの歴史を表すラッピングが施されていた。


購入した切符には”Bettplatze42 46”と書かれていて4号室になる筈だが、
車掌に案内された客室は1号室だった。


寝台の向かいにクローゼットと洗面台兼テーブル、1席分の椅子がある。


テーブルの天板を上げると洗面台がある。
蛇口はワンレバーで、コーナーに小物を置くことが出来、
シンプルだが機能的。


寝台は乗車時、上段が上げられた状態。
3名利用の場合はこのまま上段となり、
下段の背もたれを上げて中段になる。


ブタペストを出てしばらくすると、係員が寝台をセットしに来た。


寝台がセットされた客室。
2段だと、この状態でも腰掛ける事が出来る高さがある。


上段の窓側から見た室内。
通路上のスペースに荷物スペースは無い。
梯子が無く、ベットと中段ストッパに足を掛け昇り降りした。


上段通路側から見た室内。
寝台と反対側の上に荷棚がある。


窓側の傾斜部分に寝台時の読書灯があり、
窓側を頭にして寝る。
上段寝台の上まで窓があるので、横になったまま
外をちょっと確認する事が出来るのが良かった。


客室側の仕切には窓が無く、補助椅子も無い単調な通路。


隣の客室は左右対称のレイアウトだった。


通路が中央に寄っている脇にトイレがある。


広い個室で、床には排水しやすいハニカム状のマットが敷かれている。


洗面台は隅にあり、蛇口はシンプルに見えるが温度調整付き。


便座を上げた状態でも縁が広く、
しやがんで使う事も考慮されている様に感じる。


天井からホースが伸びてシャワーノズルが付いていた。
温度調整付きの蛇口の様だが高い天井に付いていて、
シャワーとして使える物かわからない。


その先にデッキに出る仕切り扉がある。


デッキ、扉際にはステップがあるが、
走行中は鋼板カバーで覆われている。


貫通扉も蝶番式で窓が小さい。


18号室の向こう側にある車掌室には
給湯器があり、有料で紅茶やコーヒー、スナック類を販売している。
ワインを飲むグラスが無かったので、頼んだらコップを借りる事が出来た。


食堂車が無い事はわかっていたので、
ブタペストで準備した食料で夕食。
車窓を眺めながらパンと生ハムにワインをゆっくりと愉しむ。


シーツ、枕カバーやタオルはビニール袋に1人分づつパックされ、
袋にはその明細が記されていた。


ベットメーキングは日本と寝台車と同様、
セルフサービス。


係員はセットしてくれなかったが、
上段マットレスの下に転落防止用の柵が折畳まれていたので出した。


就寝中、国境駅で入出国のパスポートコントロールで起こされた後で、
汚れた作業着の男がコンパートメント内に入ってきて床のシートを剥がした。


その下の縞鋼板製の円盤をずらし、持ってきた長いフックを差込み
長く2つ割りになっていたピンを引き上げた。


カーテンをよけて外を見ると、隣線にジャッキがあり、
目線が高く、この車両はジャッキアップされていた。


引き抜いたのは台車の心皿ピンだった様だ。
比較的荷物が少なかったので、この部屋に振替えられたのかもしれない。


再び作業員が来て、先程のピンとマットを戻して出て行った後外を見ると
目線が下がっていて、すぐ脇にジャッキが立っていた。
その後、我々のパスポートにEUを出たスタンプが無い事に気付き
車掌に話すと何処かに無線連絡してくれたが、
結局そのまま列車が動き出した。



目が覚めると外は明るく、ソ連風の連接機関車が牽引していた。


標高が高い様で眼下は霧がたち込めていた。


霧から抜けると、とても景色が良い。
オメガカーブだろうか、山間の車窓から線路が見えた。


まるで野外博物館の様に木造の建物が立ち並んでいた所もあった。


車掌室で紅茶を購入、
ロシアの客車なのでルーブルが基本だが、
ハンガリーフォリントで支払う事が出来た。


駅に停まっていたり、すれ違ったりして車窓から
見える鉄道車両は見逃せない。
駅や沿線での撮影環境が不明なので、撮れるだけ撮っていた。


貨物列車を牽引するVL11M型電気機関車。
勾配区間だからか見かけた機関車は連接タイプの機関車がほとんどだった。


アメリカンスタイルのChME3型ディーゼル機関車。


貨物列車に連結されていたホッパ貨車。


客車並い屋根が高く長さもある有蓋貨車。


丸っこい前面のD1型DMU。


斜めに切り落とされた様な前面を持つ、
比較的新しそうなEL-2T型EMU。


小駅に事業用車両が留置されていて、無蓋者にはショベルが載せられていた。


青色をした操重車。


キャブ上にクレーンが付いた2軸の保線車両。


バラスト交換に用いられる保線編成。


バラストを選別する保線機械。


自走するのかが気になるラッセル除雪車。


ラッセル車。


定刻より数分早く、通り抜け型だが大きなドーム屋根が掛けられている
リビウの駅に到着。
奥の線にER9P形EMUが停車しているのが見えた。


牽引機は連接のEHタイプ VL10型となっていた。
この列車は終点モスクワまで、もう24時間掛けて走り続ける。


写真下がリビウ到着時の438号車。
写真上のブタペストと同じ客車であるが台車が変わっている。


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