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2012-4 ベネルクスと周辺

M.B.D
Minieresbunn Doihl asbl

鉱山鉄道

Fond-de-Gras - Doihl - Lasauvage-Carreau

標準軌の保存鉄道Train1900でフォンデグラに着き、
鉱山博物館の場所を聞いて、
スイッチバック駅の線路が無い方の丘へ向かったところ
ちょうど列車が通っていった。


客車を先頭にした推進運転で後から水色のDLが押している。


丘を上がると駅になっていて、
周辺には鉄格子で封鎖されたトンネル入り口が見える。


低く長い車体を持つ2軸のロッド式ディーゼル機関車。
Batiruhrというメーカーの1959年製15t機で
元々740mmだったのを、ここの線路にあわせ700mmに改造されている。


列車はこの駅でスイッチバックしディーゼル機関車先頭で
TRAIN1900の駅の方へ向かい勾配を下っていった。
ここから乗車する人は無く、乗って良いものなのかもわからなかった。


丘の上からの写真。
中央に写っているのがTRAIN1900の駅と機関区で右側の線路が
そちらに向かうナロー線。


丘にあった博物館には大きなスチームエンジンが展示されていた。


周辺に他の機関車も静態保存されていた。
運転室も低く屋根が無いので、坑内用と思われる。


TRAIN1900の機関庫、
右から幅の狭い線路がクロスして入り込み2番目の扉だけ小さい。

Fon-de-Gras gare14:47発 - Lasauvage carreau15:26着
TRAIN1900の標準軌蒸機列車撮影後に駅に戻ると、
機関庫前にナロー編成が停まっていて、
切符を売ってくれる様だったので乗車。
後で調べるとここがFon-de-Gras gare駅で
客扱いでここまで乗り入れるのは
この1本片道だけだった。
時刻は後でLasauvageにある博物館にて入手した時刻表のものだが、
実際には全体的に遅くなっていた。


料金は1日大人5EUR(約530円)
乗車券はパンチ穴で種類や日付を抜く補充券の様なスタイルで、
途中で車掌が販売に回って来た。


木製の向かい合わせ座席で、乗車口はボックス毎で扉や窓ガラスは無い。


ディーゼル機関車が押して登った丘の上のスイッチバックの側線には、
有火の蒸気機関車が停まっていた。


ここでDLが切り離されて今来た方の線路に逃れ、
SLが連結される。
ここがFond-de-Gras Giedel駅。


ここからは後ろ向きの蒸気機関車が先頭。


しばらく走ると、進行方向左側にトンネルが見え、その先で停車。
横の線路には電気機関車が停まっていた。
ここがDoihlで、SLが切り離され反対側にELが連結され再びスイッチバック。


電気機関車が先頭となり折り返し、すぐにトンネルに入る。


トンネル内でも隣の線路に古い車両が置かれているのが見えたが、
列車はそのままトンネルを抜けLasauvage-Carreauに到着。

凸型の電気機関車がすぐ後を単機でついてきて、
列車を降りると連結されていた。


牽引してきたのは客車より屋根が低い箱型の電気機関車。


続く様な感じで坑道入口から別の編成が出てきた。
牽引するのはAEG の1930年製21t級電気機関車19R号。

狭い運転室、前と後に分かれてマスコンとブレーキがある。


扉は無いが窓ガラスがある箱型の赤い車両が牽かれていた。


5両のうち、2両には屋根にパンタグラフが載っていた。


ヘッドライトが付いていて窓にはヒサシがあり、電気機関車の様にも見える。


隣に列車が着くと、凸型機関車が牽引するボギー客車編成が発車。
後の機関車は切り離している。


機関車はドイツ、AEG の1926年製7.5t級の39号。
トンネル断面が小さいので坑内に入る手前で急激に架線が低くなっている。


到着すると私が乗ってきた列車の先頭に就いていた
箱型の電気機関車が反対側に連結された。
この機関車はドイツ、AEG の1928年製15.5t級電気機関車12号。
車体は長いが2軸しかない。


運転室内、シンプルでメータ類は見当たらない。


連結器は自動連結器タイプで、
更に安全の為、チェーンとシャックルによって両側で結ばれていた。


客車は5両とも、元々は自走できる電車で、
Viatourと言うメーカで1965年から造られた。


中央のボックスには電気機器類が設置され
反対側には人口が無い。
公式ページを見ると"1両を除いて自走できない”と書かれていて
1両は動くことが出来る様である。


両端は木製ベンチシートの向かい合わせで
両側面に乗降口がある。


もう1台パンタグラフが載っていた車両。


同じく中央のボックスには機器箱があるが、
上の方はスッキリしていて机のような状態になっている。


パンタグラフが無い車両には両側面とも3箇所づつ乗降口がある車両もあった。


中央のボックスの間には背もたれ上に板が渡っていて、天井も下がっている。


このLasauvage-Carreau駅は
複数の坑道入り口があり線路が分岐している。


側に坑道用人車をディーゼル機関車が牽引する編成が止まっていたが、
着いて間もなくで何処に行くかもわからなかったので乗らなかった。


レストランの入り口にある黒板の様な感じで
坑道の扉に運転時刻が書かれていた。


ディーゼル機関車が走って行った方向に複数の博物館がある事がわかり、
そちらの方へ歩く。


博物館脇にあった保存車両はサイドダンプした
状態で保存されていた。

Lasauvage eglise15:33発 - Lasauvage carreau15:41着
人車編成の行き先Lasauvage-egliseまで歩いて、。
折り返しの列車に間に合った。
牽引するのは旧東ドイツのメーカVEB Lokomotivbau Karl Marx Babelsberg
1959年製、元は600mmゲージ3軸7t機。


客車は屋根がDLのボンネット程しか無い。
出入り口以外窓抜きすら無い。


フランスSchaeffer社1996年製と新しいが、
元は1000mmで国境に近いフランスの鉱山で使われていたらしい。


座席は木製で両壁を渡っている。
3人掛け向かい合わせで4組あり定員24人


入り口の ビッチの広い所は座席の奥行きが大きく、
下に車軸がある様だ。


人口には幌があり、チェーンで束ねられていた。


後ろ向きのディーゼル機関車を先頭にLasauvage-Carreau駅に戻る。
距離は短くトンネルも無くあっという間に到着。


次に戻る列車は、箱型の12号が牽引する元電車編成だった。


Lasauvage carreau16:10発 -鉱山見学- Fond-de-Gras Giedel16:49着
これで一通り乗ることが出来る事になる。


出来ればパンタグラフ付きの車両に乗りたかったが周辺で写真を撮っていたら
意外と多くの人が乗っていて、パンタグラフ無しの車両しか空いていなかった。


室内照明は無く、中間連結面のヘッドライトで少し見える程度だが、
トンネル内でも明るい場所がある。


そう思ったら列車が停車し乗客全員が下車。


いつの間にか電気機関車19R号が後ろ側に来て連結。
トンネル入口と比べるとここは架線が高い。


そして反対方向に引き返して行った。


切り離された電気機関車12号も単機で後に続いて通過。


今度は39号電気機関車がボギー客車を牽いてDoihl側から来た。


乗客が乗っていたが通過。


一通りの列車が通過した後、
ここで下車した乗客が2つに分けられ、係員によるガイドツアーが始まった。


扉の向こうにも多数の車両が停められていた。


ディーゼルか、バッテリーロコだろうか。


帰って行ったと思っていた12号機関車
鉄筋を積んだ貨車は現役の様に見える。


動態の車両では無さそうだが、天候や気温変化の影響を受け難く
良い保存環境に思える。


つなぎ姿の係員が採掘の説明。
観光用にほとんど手を加えられていないので、
稼動こそしていないが普通に鉱山を訪問している感じだった。


ショベルですくい上げ、後の貨車に積み込むフロントローダー。


ナベトロは小さなターンテーブルに載っていた。


ガイドツアーが終わる頃、。12号電気機関車が牽引するボギー客車編成が到着。


到着した列車には乗客が乗っていなかった。
客車は1990年と1992年製の2両で、
この保存鉄道用に製造された車両。


ボックス毎に乗降口があるベンチ型のシート向かい合わせで
座席は定員からすると2人掛け。


暗い中で一瞬しか見る事ができないが、
途中の側線にも変わった車両が停められている。


トンネルを抜けDoihlに到着すると、電気機関車が切り離され
同じ側に蒸気機関車を連結。


12号電気機関車は隣の線に退避。


先程出てきた坑口。


Doihlはスイッチバック駅で機関車を付け替えたのが同じ側なので、
客車を先頭にして機関車が押す。


推進運転のまま丘の上にあるFond-de-Gras Giedel駅に到着。
帰りの列車は下の駅までは行かず全員が下車。


蒸気機関車は1895年製クラウス製の7.5t級の4号。


後ろ向きに連結されたまま折り返す。
後ろ側には自動連結器が装着されて無く
少なくともこの日は前向きで列車を牽引する事は無さそう。


蒸気機関車を前側から普通に撮影できず
別の形をしたもう1台のクラウス機は見かける事もなかったのは心残りだが、
保存鉄道でありながら電化線まであり
個性のある様々な種類の車両が動態保存されている素晴らしい場所であった。



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