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'10-9 韓国 全羅道
KTX2 山川(サンチョン)

龍山発 - 木浦行き
KTX411列車

龍山14:00発-光州松汀16:39着


ソウルの龍山駅から光州松汀駅まで
KTXの特室で1人52,500ウォン(約3,900円)。
KORAILホームページにて予約し、プリントアウトした予約確認書を駅窓口に出して
レシート状のチケットを発券してもらう。
駅の改札が無くなり、車掌の端末で座席毎の販売状況がわかるのか
指定された座席に座っていれば検札も無かった。


車輌は3月に営業運転が開始されたKTX 山川編成。
この新型車輌が使われている列車は、
KORAILホームページにて韓国語で列車検索をすると「KTX-산천」と書かれている列車があり、
列車番号を確認してから英語版で予約を入れた。


TGVをベースにした初代KTXと同じ集中動力方式で客車18両から8両へと編成が短くなった分、
2編成の併結運転が出来るようになっている。
韓国が自主開発したとの事で先頭形状は魚のヤマメをモチーフにしたとの事であるが、
編成全体で眺めるとTGVがPOS編成など丸みのある動力車に変っていた流れと似た感じがする。


湖南線方面への玄関口である龍山駅で並ぶ新旧KTX。
広角レンズで無くてもヤマメ顔の方が先頭車が短く見えたが、
全長は新型の方が微妙に長い。


台車や乗務員扉の辺りなどは良く似ている。


初代KTXではモーター付きだった両端から2両目の動力車寄りの台車も非動力となり、
台車上の機器室も無くなり、連結部があっさりしている。


初代KTXと同様に中間の客車は連接台車で支えられ長さも同じ。


KTXⅡ(上)とKTX(下)の連接部と乗降扉。
連接部の基本構造は同じだが、
車内の床面はかなり高くなっていて、
ステップ構成がそのままで段差が大きくなっている。
張り出しのステップは折畳み式から飛び出し式に変わり、
戸窓はICEの様な長円形になるなど扉周りは変化が多い。


1等車に相当する特室は初代KTXでは1編成4両あったが、新型は3号車1両のみ、
1+2配列でカーブして張り出した枕部分が印象的な座席が並ぶ。
両端仕切り部と中央に液晶モニターが配置されている。


半透明な荷棚の上に間接照明があり広さを感じる天井、
床は絨毯敷きで座席部と通路で配色が異なる。


座面がスライドするタイプの電動リクライニングシート、
背もたれは元々傾斜が大きめで可変角度は小さい。
窓は小さめで、外を眺めるには背もたれ耳元部の張り出しが邪魔になる。


前席の背面に付いているテーブルは上に引き出して倒す初代KTXと同じ方式だが、
格納状態でカバーされる様になり、その後ろにマガジンラックが付いている。


京釜線と分かれ西大田を出た頃に、ペットボトルの水とお菓子が配られた。
テーブルは右奥に丸い空間があるが、数ミリの縁だけで溝になっていない。


フットレスト(足置き)は座席背面に付いている跳ね上げタイプ。
座席下は箱状にカバーされていてPC電源用コンセントが付いている。


2席並びの間にはひじ掛けが2つ並んでいて
その下に小物が置けるスペースがある。


片側の肘掛にある電動リクライニングのスイッチ。
肘掛は樹脂製で上面に布地が張られている。


反対がわの肘掛にはオーディオのスイッチと2穴のイヤホンジャックがある。


置いてあったイヤホンは1ピンタイプ、
一緒においてあったアイマスクには鼻に掛からない様にという
警告イラストが可笑しかった。


遮光はブラインド式、
窓上の壁が張り出した感じになり読書灯が付いている。


デッキとの仕切りはガラス製、しかし最前列のテーブルとフットレストを確保する為に
机が置かれた様な状態になり、ほとんどが擦りガラス状態でチグハグ感がある。
でも、前列席はテーブルや目の前の空間が広く、パーソナルモニター並みの
補助モニターまで用意されていて特等席である。


メタリックブルーの特室車両のデッキ、
乗客サービスとして各種新聞が並べられている。


連接部、全体に床面が高くなりスロープは解消されたが、貫通路は狭い。


2等車にあたる一般室は2+2配列の回転リクライニングシート。
初代KTXの一般室は狭苦さがあり、座席の方向転換も出来なかったが、
大幅に改善された感じがする。


電源コンセントが無い程度で、基本設備は特室とほぼ同等。


TGVがベースの初代KTXと同じくリクライニングはスライド式で角度は微妙。
シート背もたれのテーブルが収納されている部分がとても厚い為、
シートピッチはあるのに膝元が窮屈になり勿体無い。
通路側のひじ掛けが跳ね上げられるのは結構便利。


仕切り際にTGVの向かい合わせ席にあった物を半分にした様な大きめなてテーブルがあるが、
ステイは仕切りとは別の部品で、間にゴミ屑や塵が溜まりそうな隙間がある。
足元は狭くないがフットレストの取り付け座が延びていて足が伸ばせない。


仕切り扉上の号車番号表示は液晶表示で、2編成併結する場合は片方が11~18号車となる。
標準的な化粧室は2箇所向かいあわせに配置され男女別となっている。


化粧室内は洗面台の周囲に薄い帯状の手摺が延びていて余計に狭さを感じる。
公衆トイレでも方式が違うので韓国では問題無いのだろうが、
トイレットペーパが遠く、座って届かない場所にある。


1号車にある車椅子対応型のトイレ。
TGVと同じく各デッキには補助椅子が用意されているが、
ここの席は中から扉が開くと、ご対面状態になってしまう。


押しボタン開閉式のスライド式の曲面扉で出入り口はデッキ側に面している。


洗面台まわりは一般型と同等の物で、扉際にもう一つ鏡があり、
オムツ交換台も用意されている。


車椅子スペースがある1号車だが、動力車寄りには乗降口が無いので
客室へ行き来するのには必ずこの湾曲した通路を通る事になる。


初代KTXには無かったビュッフェスペース。
セマウルやムグンファのトレイン・カフェと同じくらいのカウンターで品揃えが良く、
利用している人も多く見られた。


小さなスペースなのでスタンドテーブルのみで椅子は無く、
窓は座席車と同じ高さなので低い。
カウンターやテーブル下には緩衝目的だろうか、薄い帯状の手摺が取り付けられている。


2・6号車にある自動販売機はドリンク類の他、お菓子も販売されている。


モニターでは様々なジャンルの短編番組を放映。
KTX、セマウル、ムグンファなどの列車がキャラクタ化されたアニメ番組もあった。
号車番号は併結運転時に片方の編成が10プラスされるのでLED表示。

停車駅が近付くと番組中に大きく字幕が入る。
写真は特室の仕切り際にある補助モニター。



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