鉄道世界旅行ホームページ
'10-4ハルツ地方&デンマーク

 HSB Harzer SchmalspurBahnen
Harzquerbahn・Brockenbahn

8937列車 Wernigerode 14:55発 − Brocken 16:52着
8934列車 Brocken 17:49発 − Wernigerode 19:30着

ヴェルニゲローデ駅のホームには隣接している機関区を
見渡せる櫓がある。


展望台からは信号所、給水塔、新しそうな転車台、
そして出区を待つ蒸気機関車が見える。


Westerntor方面からディーゼル機関車が蒸気機関車2両を押してきた。
この様な運転も考慮されていたのか、
この凸型DL、SLのボイラーよりもボンネットが高く巨大。


ナローゲージとはいえ、奥の標準軌線を走るDBのDMU
と比べても機関車が小さい訳ではない。


機関庫に入っていた1939年製の気動車、187 025。


夕方は仕事を終えた機関車が沢山並んでいた。


客車入線も巨大DLの推進運転で行なわれる。
赤ラクダという愛称の199 8型は1976年製、軸配置CCの液体変速式。


この日はイベント列車があり2台の古典機が出発を待つ。


イベント列車の乗客に見送られ、99 7234牽引
定期のブロッケン行き8925列車が発車。


出区


先頭は緑色の99 5902、
元NWE(ノルトハウゼン-ヴェルニゲローデ鉄道)1897年製 軸配置BBのマレー式。


後ろは黒い99 5906、5902と同じくマレー式だが
こちらは1918年製で形は大きく違う。


99 5906の後ろ姿、石炭もボイラーサイドに積み込むので窓が広い。


ヴェルニゲローデ駅の先にある新しそうな跨線橋で団体列車の出発を撮影。
写真左下に見えるDBやHEXの車両が走る標準軌の線路と比べると
かなり狭く感じるがHSBの軌間は1000mmでJRと67mmしか違わずタイやマレーシア国鉄と同じ。


マレー式の重連+レトロ客車という最高な編成。


片側4つあるシリンダの歩調を合わせ。

最後尾のオープン車両には誰もいなかったがレトロ客車7両
乗客はいっぱい。この団体列車の料金は大人29EURとそれほど高くない。


******************************************************************************
私が乗車したのは団体列車を撮影した2日前の定期列車。
ヴェルニゲローデ - ブロッケンの往復券は裏に機関車のイラスト
が入った硬券タイプで、料金は大人一人26EUR、
ヴェルニゲローデ駅のチケット売り場はグッズ類の売店を兼ねていて、
ブロッケン駅のライブカメラを映したモニターもあるので、
山頂付近の様子を確認してから切符を買うことができる。


標準的な客車は全長12.8mでオープンデッキのボギー客車。


車内はクロスシート向かい合わせ4人ボックス配置、
車体中程の1ボックス分のスペースがトイレになっている。


窓は上部が内側に倒れる様に開き、ストッパ金具を広げると
180度近くまで開ける事ができる。


明るい内装に更新された車両もあり、トイレとの壁の角も丸みを帯びている。
ボックス間の窓際に半円形のテーブルも付いた。


車端部は扉がオフセットしていて壁際だけ2+1配列になっている。


トイレが無い車両は客室が広く感じられる。


窓間でロングシート的な座席になった車両もあった。


荷棚は線路方向だが窓上部分のみ。


窓の開く部分は枠が無くなり金具も違う。


テーブルに路線図が描かれた車両もある。


トイレは線路直行で水洗設備も無い。
擦りガラスのあかり窓は客室と同サイズで
個室内は明るい。


洗面台も無く鏡だけ。


連結部は渡り板と手摺だけで屋根なし。
デッキは転落防止用の柵が下りる様になっている。


片側づつの長い手摺は通路柵を90度旋回させた物。


最後尾は展望デッキの様になる。


ヴェルニゲローデを出てすぐに見える2台のクラッシックなクレーン車は
石炭の積み込み用。


間もなく、工場などがあるWernigerode Westerntor駅で
留められている客車が見える。


早速、西門駅で99 7235牽引ヴェルニゲローデ行き8930列車と交換、
この駅は行き違いが多い。



******************************************************************************
Wernigerode Westerntor周辺
センターキャブのDLは6両ある様だが
動いているのを見かけたのはいつも199 861だった。


制御客車ではなく無線誘導だと思われるが、
ヘッドライト付の客車も停まっていた。


ホッパー貨車がの下にあるのは
標準軌の貨車を狭軌線内に運ぶための貨車。


車輪は標準軌に対応した幅のフレーム内側にあり、サイドから見えない。
北海道新幹線の青函区間で検討されているトレイン オン トレインとは
レールの幅が逆になる。


レールを兼ねたフレーム間に
台車やブレーキ機器が詰まっている。


ラッセル車。


ロータリー除雪車もある。


検査中だろうかC型タンクの99 6101がDLに牽かれていた。
入換のDLは1935年製、モーターカーサイズであるが、
大きな凸形と同じ199というナローDL共通の型式がつけられている。


ヴェルニゲローデはハルツ観光の拠点。
木組みの家が立ち並ぶ市街は西門駅の方が近い。


特徴のある造りの市庁舎。


建物の間に見える丘の上のヴェルニゲローデ城。
HSBの車窓からは城は見えなかった。


本物の蒸機が走る街でも観光列車と呼ばれるトレーラが走っている。


西門駅を出る朝のブロッケン行き8933列車。

平行している道路と生垣で仕切られている。


牽引する99 222は1931年製
HSBに18両ある軸配置1E1型の中で唯一の戦前生まれ。


西門駅の少し先、カーブしながら大きな道路とクロス。


自動車は信号機で停められ遮断機が無い。


少し観光した後、街の見えるところで撮影した8903列車。


1955年、戦後の東ドイツ時代に造られた99 7241。


小さな踏切は標識だけで、やはり遮断機が無い。


この列車はEisfelder Talmuhle行きで最後尾に
無蓋貨車風の展望客車が連結されている。


ヴェルニゲローデ行きの1本目は
Eisfelder Talmuhle始発のディーゼルカー。


縦長でトラムの様な車体。


さらに奥まで歩きSカーブで
撮影した8925列車。





最後尾はビュッフェ車両。


******************************************************************************
Westerntor駅を出て更にWernigerodeが付く駅を2つ過ぎると
列車は森の中に入ってゆく。


整備された道路と並行するようになって間もなく
先に2本のSL列車が停車していた
ドライ アンネン ホーネDrei Annen Hohne駅に到着。


隣の線路に停まっていたのは南側のDB接続駅である
ノルドハウゼンNordhausen Nord行き8929列車、牽引機は99 7245。


ドライ アンネン ホーネに着いた列車はここで給水、
同じ側に機関車が連結されているが、向こうは逆向きになっている。


テンダーファーストのノルドハウゼン行きが先に発車。


その向こう停まっていたのはノルドハウゼンとクベンドリンブルク方面が分岐する
アイスフェルダー タールミューレEisfelder Talmuhle始発のヴェルニゲローデ行き8904列車。


逆向き連結された機関車99 7232の後ろはオープン客車、
貨車を改造した様で客車との行き来は出来ない。


駅の隅にはHSBのロゴが入った標準軌タンク貨車を積んだ貨車が停まっているのが見えた。


ドライ アンネン ホーネを出るとEisfelder Talmuhle方面の線路と分かれ
ブロッケン線に入る。


次に停まるのはシールケSchierke駅で交換街の為18分停車。
乗車した列車を牽引していたのは第2次世界大戦前生まれの99 222。


シールケ駅で交換したのは99 7234牽引
ドライ アンネン ホーネ行き8944列車。


シールケはブロッケン登山客の自動車アクセス拠点で、
山を下って来た列車から多くの乗客が下車していた。
HSBの乗務員は各駅ちょっとした停車時間でも
車体のどこかを磨いていて、機関車への愛着の強さを感じる。


シルーケ駅の隅には保線機械。


シルーケからブロッケンまでは駅間の平均でも30パーミルを超える登り坂。


途中、スイッチバックの待避線があり、
99 7239牽引ヴェルニゲローデ行き8924列車と交換。
こんなに蒸機列車と行き違いがある鉄道は他に思い当たらない。


開けた場所で前方に山頂の建物が見えた。
登山道は時々平行しハイキング客も少なくない。


それから、まわりを一周しながら山頂へ。


雪が残る標高1125mのブロッケン駅、
東西冷戦時代は軍事的要衝で
当時のレーダーサイトは博物館になっている。


ブロッケン駅で機回し。


連結やポイント切り替えは機関士と車掌が行なっていた。


テンダー側を前にして山を下る。


車窓から山頂が見えた辺りの線路を探し
登ってくる列車を撮影。

登ってくるのは先ほどシールケ駅で交換したドライ アンネン ホーネ行きの折り返し8945列車。

8両の客車を引き平均30‰以上の勾配を単機で登る。


下の方で見えなくなってから約8分程で、
列車は山を一回りして目の前まで登ってきた。


山頂には”悪魔の説教壇と魔女の祭壇と呼ばれる岩がある。


牽引機は99 7234
太いボイラーと5軸の動輪できつい連続勾配を登りきった。


戦前生まれの99 222(上)と東ドイツ時代に生産された99 7234(下)。
給水暖め器やヘッドライトの位置を始め違いが多い。


この折り返しの8934列車でヴェルニゲローデに戻る。
途中、スイッチバック式の退避線に入り、
ブロッケン行き最終の8939列車と交換。


デッキでは退避後、客車を押すSLを前側から見る事ができる。


テンダーファーストで走る復路は下り勾配の連続。


アイスフェルダー タールミューレ方面からの線路と合流し、
ドライ アンネン ホーネに到着。
もう遅い時間なので他に列車は停まっていない。


いつも磨かれ車体はピカピカ。


復路もドライ アンネン ホーネで給水。


連結はリンクにより中央のバッファをターンバックルで締め上げる。


復路はデッキから機関車の前川が見られるが、登り勾配は無い。
尚、往路はテンダ側の後ろが合造車の荷物室寄りになっていた。


Wernigerode Westerntor駅到着前の車窓から踏切で西門が見える。


19:30 ヴェルニゲローデに帰着、ハルツ狭軌鉄道のホームは頭端式。


展望櫓に登り推進運転の回送列車を見送った。


写真の無断転載を禁止します。