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'09-9 中国四川

和諧 長城号


北京北 - 延慶行き Y563次
北京北7:26発-八達嶺8:25着

延慶発 - 北京北行き
Y572次
八達嶺11:42発-北京北12:59着


初めて北京に来た1997年にも列車で八達嶺と思い北京北駅まで来たが、
その時は駅舎も改札も見つからず、廃駅の様な屋根の無い低いホームがあるだけで、
近くにある西直門切符売り場の時刻表では1日発着列車が各9本という状態で結局タクシーをチャーター。
その後、赤峰まで行き来する際には駅舎も利用したが小駅で地下鉄駅から遠い印象。
それが今回、地下鉄西直門駅から上がってすぐの真新しい建造物に変わっていて驚いた。


待合室脇の券売所で往復分のチケットをまとめて購入。
駅は巨大だが列車の発着はそれ程多くないので窓口は空いていた。
料金は1等座で片道1人17元(約230円)


頭端式で幅が広いホーム。


1等座3両とバー車両、2等座3両の客車7両をディーゼルの動力車で挟んだ9両編成。
高速列車と同じ和諧という名前が付くが、この車両の最高速度は130km/h。


客車は窓が大きく台車以外の床下がカバーされているが、
両端に集中クーラーを乗せた一般的な構造で25DTという型式。


乗客が少なく、乗務員も各扉には立っていない。
乗降口には渡り板が掛けられていた。


1等座は回転リクライニングシート2+2配列、
窓の縦幅が広く明るい車内。


1等座のシートはKTXなどTGV系統にみられる座面がスライドするタイプ。
手前通路側の座席がリクライニングさせた状態であるが角度は微小。


このタイプのシートで方向が変えられるのは珍しい。
向かい合わせでは足元が狭く、
スライド式なのでリクライニングさせると更に狭まり、
両方倒すと足が入らないかも。


テーブルにあるシートの操作説明は英語併記。


時刻表や安全について、座席やトイレの使い方などが書かれたしおり、
タイトルの52型動車組を英語では52EMUとされていた。


前席の後ろにスライド収納式の折りたたみテーブルとT字形のフットレストが用意されている。


ブラインドは竹を思わせる模様付きでフリーストップタイプ。


1号車の前側デッキ、動力車との貫通扉にも他の客車と同様に自動ボタンが付いていて、
固定編成的な考えはなさそう。


客室には液晶モニターとLED表示機があり、
速度の表示もされ、見ていた時では最高104km/h
ほとんどの間が40km/h台だった。


2号車にあるバリアフリートイレ、
レイアウトは東北新幹線E2ベースのCRH2型と似ていて
おむつ交換台には日本語表示があった。


トイレはしゃがみタイプ、
こちらも角の洗面台がCRH2と似ている。


連結部の通路は狭めで、手摺状のガード付き。


2等座はCRH1と似たひじ掛け無しシートの2+3配列、
1等座と同様に窓の縦幅が大きい。

航空機の様に座席のステー取り付け部がレールになっていて、
シートピッチの変更や交換が容易に行える構造。
座席以外の内装や液晶モニタ、表示盤などの設備は1等座と同等。


リクライニングはしないでひじ掛けも無いが、
座席を回転される都合だろうか座席に対してシートピッチが広い。
2等座は片道14元(約190円)で外国人からすると差額は僅かだが、
2割程安く、空いているならかえって快適そう。


前席背面には直蝶番の折りたたみテーブルとマガジンラック。


デッキ部との仕切扉は無い、最前列内側の座席は通路が目の前で落ち着かなそう。


デッキのステップは蓋がされた状態で高いホームとの段差は無いが、
隙間が広いのか渡り板が用意されている。


給湯設備は中国の列車必須、
一方、冷水器は無い。


格別に窓が大きい4号車は客車形式CAで食堂車にあたる餐車。


車内のしおりでは酒吧車 BarCarとなっていて、バーカウンタがある。


カウンタの先は広い窓で開放感溢れるスタンドテーブルのスペース。


このバー車両にも、液晶モニターとLED表示盤がある。


テーブルクロスまで敷かれたレストラン的な場所もあるが、
食事メニューは無く、走行中は乗務員の歓談場となっていた。


途中駅で同型の客車が留置されていた。
当初は1日最大16往復の設定があった様だが、
現在は1日6往復で編成も短くなっている。


北駅を出て40分ぐらい走ると車窓から長城が見える様になる。


居庸関だろうか、途中に観光地的になっている所も見えるが、列車は止まらない。
タクシーチャーターで向かった12年前、
くねった細い道での無謀な運転で怖い思いをしたが、道路も整備が進んでいる様である。
それにしても、この快適な列車がガラガラで走っているのはもったいない。


八達嶺駅に着く手前でスイッチバック、駅名は同じ青龍橋であるが
ひし形の線形をしていてスイッチバックの場所が上下で異なり対称的な位置にある。


八達嶺は2線で対向では無いホーム2本、ホームから見ると駅舎は小さく見えるが奥行きがある。
登り口とは1km位離れているが長城が見えているので向かう方向を間違える心配は無い。


北京方面へ向かう側のホームだけに柵が付いている。


北八達嶺索道、料金は片道で40元(約540元)
12年前も40元で、この中国で価格が変わっていないというのは驚き、
しかも1997年の時は外国人料金として切符を2枚切られているので半額になった感じ。


尾根に沿って延びる長城は高低差が大きく、道路沿いの登り口は谷間にあるので、
ロープウェイで上がり歩いて登城口まで戻るのが快適で時間もかからない。


八達嶺長城入場料45元(約600円)が別にかかり、
ロープウェイの場合、降り場に券売所があり、少し進んだ所にゲートがある。
この門票は12年前は20元で倍以上に上がっていた。


ロープウェーを降りて写真を撮りながら歩き、約1時間で降りてきた。


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